クラレトレーディング・婦人服地 ニットを拡販
2010年10月26日 09:45
クラレトレーディング・テキスタイル部は婦人ニットの拡販に力を入れている。主力のスエード調「エルモザ」や杢調「ソリビア」などで商品ラインの幅出しと取り組んでおり、10年度はニットダウンやメンズのニットジャケット向けの販売を「かなり伸ばせる」(古橋則昭テキスタイル部長)と見通している。
クラレトレーディング・テキスタイル部は09年度上期を底に婦人服地の販売を反転させており、10年度上期は10%強の増販(数量ベース、前年同期比)を確保したという。
10年度は主力の「エルモザ」で輸出を本格化。トータルの販売を09年度の8500反から1万2000反(国内1万反、輸出2000反)に引き上げる。
「エルモザ」ではこの間、ニットの開発を強化しており、10年秋冬では婦人向けに極薄(天竺)を投入。11年春夏スタートを目指し中肉(ハニカム)の開発とも取り組んでいた。
この中肉をオンワード樫山がメンズのニットジャケット「エアージャケット」に採用。クラトレは当初計画を前倒しして10年秋冬から「エルモザ」ハニカムの販売を立ち上げた。
来シーズンに向けては、「エルモザ」ハニカムで「攻勢をかける」(古橋部長)としており、婦人も含めた販売量で4倍増を計画。大手生地商とは、すでに11年秋冬に向けた数量計画の商談が詰めの段階を迎えている。
一方、「ソリビア」では10年春夏から織物の販売を先行。その後、10年秋冬で中肉のニットを、11年春夏で薄地のニットをそれぞれラインアップし、商品ラインの増強と取り組んできた。
EU向けのニットの輸出が好調に推移しており、中でも薄地がEUメゾンなどからダウンウェアの表地として引き合いを集めているという。
クラトレは「ソリビア」で企画されたニットダウンの店頭展開が11年秋冬から始まると見通しており、まもなく本格的に始まる11年秋冬に向けた国内商戦においてもニットダウン狙いの販促を強化する。
また、スパン調の表面感をもたせた新企画もラインアップし、11年度で国内外に向けた(織物を含む)「ソリビア」トータルの販売を「1万反台に乗せたい」(同)考えだ。