旭化成商事・衣料第1事業部 中国対策も強化

2010年10月22日 09:51

 旭化成商事・衣料第1事業部は10年度、春夏から本格化させたインナーの製品OEM(相手先ブランド生産)ビジネス拡大を計画する。また、中国での展示会に初出展するなど日本から輸出するテキスタイルや海外生産する商材を打ち出し中国内需へのアプローチに本腰を入れる。

 旭化成商事・衣料第1事業部は09年度に苦戦を強いられたものの、10年度上期はインナーやコンプレッションウェア向けのテキスタイル販売、「ベンベルグ」の糸売りが順調だったため、数%の前年増を達成。下期も前年増の予算で臨んでいる。

 旭化成商事は10年度から中期3か年計画をスタート。同事業部はインナーにおける製品OEMビジネスの拡大、輸出拡大や海外生産の拡充などを通じ業績拡大を計画する。

 自前で構えるデザインオフィスによる企画提案を通じ、10年春夏物からナイロントリコットによるブラジャー・ショーツの製品OEMを大手アパレルや量販店向けに本格化。今後、1年位をかけて「OEMビジネスを軌道に乗せる」(鈴木雅晴常務衣料第1事業部長)方針。

 ポリエステルを主力にスポーツを担当する衣料第2事業部とはコンプレッションウェアの製品OEMで社内プロジェクトと取り組んでおり、同部はナイロンツーウェーで衣料第2事業部のユーザーに対する企画提案と取り組んでいる。

 同部は現状で5%にも充たない輸出の拡大を中計のテーマの1つに掲げている。この一環として先に中国・上海で開催された「2010中国国際針織博覧会」や「インターテキスタイル上海」に初出展。同社コーナーに来場したユーザーフォローを徹底し、インナーテキスタイルや製品OEMで新規販路開拓を急ぐ。

 海外拠点の拡充にも力を入れており、現在は外注する海外縫製拠点に素材を供給していくTX拠点の育成と取り組んでいる。

 中国、タイを合わせてすでに数か所を確保。すでに両国でのオペレーションを日本へ持ち帰る製品OEMに活用しており、中国内需へのアプローチも本格化。両国の物作りのレベルアップを通じ「メード・バイ・ジャパンを打ち出したい」(鈴木常務)考えだ。

関連記事

最新記事