世界に広がる発毛ビジネス
2010年10月21日 11:00
「世界全体で薄毛治療を受ける人の数が以前に比べて26%増加した」。ウォール・ストリートジャーナル紙の系列サイトである「MarketWatch」がそう報じたように、ここ最近、世界で薄毛への意識が高まってきているようだ。
外国人は、日本人に比べると、あまり薄毛を気にしていないような印象がある。ハリウッドの大スターや有名なスポーツ選手など、髪が薄くても人気のある者がたくさん存在しているからかもしれない。しかし、実際はそんなこともないようだ。万有製薬が、日米の20から49歳の男性約300人を対象に実施したアンケートによると、薄毛や抜け毛を気にしている米国人は70.6%と日本人の53.6%を大きく上回った。薄毛や抜け毛を気にする理由としては、68.1%の日本人が「カッコよくない」、74.1%の米国人が「老けてみえる」という回答だったという。
理由は違うが、薄毛や脱毛に対する悩みは、日本人だけではなく、万国共通のようだ。現在では頭皮の研究が進み、様々なヘアケアグッズ、サービスなどが世界各国で展開されている。一昨年に中国通販市場への進出を果たした発毛専門のリーブ21では、人によってそれぞれ体質や生活スタイルは異なり脱毛原因も違ってくるが、各々の脱毛原因を特定し、それを一つひとつ解消していくことで薄毛は改善できるとし、海外をも視野に入れたビジネス拡大に向けて自信を伺わせている。また、ヘアーカラーや頭髪化粧品の総合メーカーとして、100年以上の歴史を持つホーユーも、昨年、髪や頭皮に悩む男性のための新ブランド「プロエナジー」を立ち上げ、自社の海外拠点や代理店を通じて70カ国以上への販売チャンネルを持つ強みを生かし、男性用ヘアケア関連アイテムでのシェア拡大を狙う。
ひと昔前までは、薄毛は老化によるものとあきらめてしまい、その対処法としてはカツラや植毛といういわゆる"隠す"という選択肢しかなかったが、今はサービスや商品が向上し、自分の髪を"生やす"ということが可能となる時代になってきた。世界中で薄毛や脱毛に悩む人が増え、そのニーズの高まりから、今後も頭皮対策として様々な商品やサービスが出てくることが予想される。しかし、欧米人と日本人では、体質や生活習慣が全く違う。日本人には日本人の体質にあった、そして自分自身に最適なものを選択することが、悩みを解決するための最も重要な方法なのかもしれない。10月20日の「頭髪の日」をきっかけに、自らの頭皮は健康かどうか、考えてみてはいかがだろうか。
(編集担当:北尾準)