将来、社長になりたい課長 5.8%留まり
2010年10月20日 11:00
従業員100人以上の上場企業で1人以上の部下を有する課長を対象に産業能率大学が実施したアンケート調査で、勤務先で最終どのような立場になりたいか、の問いに「社長(経営者)」になりたいとの回答は5.8%にとどまり、課長を維持する(33.2%)、中には、プレイヤーの立場に戻りたいという回答が9.6%と10人に1人がプレイヤー志望になっていることが分かった。
これを反映するように、38.3%の課長が「自身はイキイキと働けていない」と感じ、89%が何らかの悩みを抱えていた。悩みで特に多かったのは、仕事量の多さ(33.6%)で、次いで、部下の人事評価の難しさ(32.9%)、部下がなかなか育たない(29.7%)などだった。
仕事上での相談相手がいないという人が50.2%と2人に1人にのぼっており、仕事上の悩みを1人で抱え込む構図も伺えた。
調査は9月28日から30日にかけて、428人を対象に実施された。男性が413人、女性15人。年齢では40代が最も多く239人、次いで50代146人、30代43人だった。
それによると、職場の状況について、3年前より自身が管理するところの職場の業務量が増えているという課長が54.2%に達し、成果に対するプレッシャーが強まっていると41.1%の課長が感じていることも分かった。
また、職場の人間関係の希薄化(25.5%)や人数の減少(34.1%)をあげる人も4人に1人以上いた。
待遇については、仕事の割に給料が低いと55.1%が感じ、仕事量を減らすより給料をあげてほしいと77.1%が思っていた。バブル期の「所得より(自由に過ごせる)時間がほしい」という希望から、長期にわたる経営環境の厳しさを反映して、将来に備えた「所得優先意識」がうかがえるものになっていた。
(編集担当:福角忠夫)