東レ・「アクトウィンド」 運動追随性が好評
2010年10月13日 16:30
東レがニットダウン向けに展開する「アクトウィンド」の販売が好調だ。東レとの連携を通じ東レインターナショナル(TI)が製品OEM(相手先ブランド生産)による販売に力を入れている。11年秋冬に向けては、より軽量化を目指した開発を強化するとともに、合理化版もラインアップし、「アクトウィンド」トータルの販売量を「倍から3倍規模に引き上げたい」(柴司スポーツ・衣料資材事業部長)考えだ。
東レはTIとの連携で09年秋冬から「アクトウィンド」によるニットダウンの製品展開に着手した。「アクトウィンド」はナイロンやポリエステルのニットに、透湿性に優れた薄膜をラミネートした防風素材。
09年秋冬ではナイロンによる1000反を投入。10年秋冬からポリエステルもラインアップし、3400反を販売した。
両社はダウンウェアの展開にあたり、それまではあまり追求されてこなかった動きやすさに着目。運動追随性をアップさせるため、ほぼ2年をかけてニットによるダウンウェアを商品化した。
ダウンパックなしで羽毛の抜け落ちを防止するために薄膜をラミネートした「アクトウィンド」による表地、専用の縫製仕様などを導入し伸び縮みするニットダウンを商品化。TIが「シンセティックマジック」ブランドでOEM展開と取り組んでいる。
TIは09年秋冬で1万5000枚(上代ベース7億円弱)を販売。10年秋冬では5万枚(18億円弱)を計画しており、今シーズンは動きやすさなどが評価され、ゴルフブランドでの採用が相次いでいるという。
11年秋冬に向けては、「さらに軽量化を目指した開発を強化」(柴事業部長)するとともに、「アクトウィンド」の合理化版もラインアップし販売増を目指す。
「シンセティックマジック」の販路はトップゾーンにとどまっており、東レ、TIには廉価版を求める顧客からの要望が寄せられているという。
このため、東レはこれらの要望に応えていくため、原糸や薄膜の変更でコストを合理化した新タイプの開発にも着手している。
また、ウェアだけでなく「部分的に身体を保温し、なおかつ運動追随性に優れた」(同)サポーター的な新規アイテムの商品化とも取り組んでおり、11年秋冬では「アクトウィンド」トータルの販売量の2-3倍増を目指す。