ヴァージンの宇宙船「スペースシップツー」、初の単独飛行

2010年10月12日 09:45

 ヴァージン・ギャラクティック社(Virgin Galactic)は10月10日、宇宙船「スペースシップツー(=VSSエンタープライズ)」に人を乗せ、母船「ホワイトナイトツー(=VMS イブ)」から切り離し、初の単独飛行試験を行ったと発表した。

 ピーター・シーボルト(Peter Siebold)氏とミハエル・アルスベリー(Michael Alsbury)氏の2名のクルーを乗せたスペースシップツーはホワイトナイトツーに取り付けられ、アメリカ太平洋夏時間10月10日午前(日本時間同日夜)にモハーベ空港を離陸した。スペースシップツーは上空約1万3700mでホワイトナイトツーから切り離され、自由滑空し、再びモハーベ空港に着陸した。

 ホワイトナイトツーの飛行試験は2009年12月に始まり、スペースシップツーを載せた「キャプティブ・キャリー・フライト」も2010年3月から行われているが、スペースシップツーに人を乗せて、単独飛行したのは今回が初めて。

 ヴァージン・ギャラクティック社は今後、飛行試験や落下滑空試験を引き続き行い、その後、スペースシップツーの空中打ち上げ試験などを行う。

 ヴァージン・ギャラクティック社のサブオービタル宇宙旅行は早ければ2011年頃に、ニューメキシコ州のスペースポート・アメリカで開始される予定となっており、スペースシップツーを載せたホワイトナイトツーは、約1万8000m上空まで上昇した後、スペースシップツーを切り離す。切り離されたスペースシップツーはロケットエンジンを点火し、一気に高度約110kmの宇宙空間へ上昇する。6名の乗客は約5分間の無重力を体験でき、丸い地球を眺めることもできる。

 F1ドライバーのミハエル・シューマッハ選手やルーベンス・バリチェロ選手、デザイナーのフィリップ・スタルク氏、イギリスの物理学者スティーヴン・ホーキング博士らが同宇宙旅行を予約しているほか、日本人として、小僧com株式会社の代表取締役会長兼社長である平松庚三氏、外資系IT企業勤務の稲波紀明氏ら3人も参加する予定となっている。

 ■VSS Enterprise Completes First Manned Glide Flight | Virgin Galactic
http://www.virgingalactic.com/news/item/vss-enterprise-completes-first-manned-glide-flight/

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