東洋紡・エアバッグ リサイクル容易な基布を開発

2010年10月7日 15:51

 東洋紡はこのほど自動車用エアバッグ向けにリサイクルが容易なコート布を開発した。コーティング樹脂を従来ののシリコンからナイロンに転換することで基布とコート材を分離することなくリサイクルすることが可能となった。

 東洋紡はエアバッグのコート材用にナイロン樹脂を新開発。基布(ナイロン66織物)とナイロン樹脂によるコーティング層を分離することなくリサイクルができるようにした。

 また、コート布の低コスト化のため、樹脂の使用量を低減。従来のシリコン樹脂では使用量を減らすと難燃性の低下につながったものの、東洋紡は基布の生産技術とナイロン樹脂との組み合わせでこの点を解消。従来の半分以下の樹脂使用量でも難燃性が低下せず、従来のコート布と同等の通気性を実現したという。

 エアバッグにはコート、ノンコートの両タイプがあり、運転席や助手席用にはコートタイプより低コストのノンコートタイプが、サイド・カーテン用には通気度の低いコートタイプが多く使われている。

 これまでサイドエアバッグなどに使われていたコート布のリサイクルは技術的にもコスト的にも難しく、製造工程で発生する端材は産業廃棄物として処理されるケースが多かったという。

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