エポキシ探査機が軌道補正、ハートレー2彗星の接近は11月4日
2010年9月30日 11:00
米航空宇宙局(NASA)は9月29日、エポキシ探査機(EPOXI)が20回目の軌道補正マヌーバ(TCM)を成功させ、アメリカ東部夏時間11月4日10時2分(日本時間23時2分)に目標であるハートレー2彗星に接近すると発表した。
今回の軌道補正マヌーバはアメリカ東部夏時間9月29日14時(日本時間9月30日3時)に行われ、エポキシ探査機のエンジンは約60秒間の噴射を行い、軌道補正を行った。これを受け、プロジェクト・マネージャーのティム・ラーソン氏(Tim Larson)は「私たちは現在ハートレー2彗星から約2300万マイル離れており、接近まであと36日となりました」と述べた。
エポキシ探査機はディープ・インパクト彗星探査機を再利用したミッションで、新しい彗星を探査する「DIXI(Deep Impact Extended Investigation)」と、太陽系外惑星の観測を行う「EPOCh(Extrasolar Planet Observation and Characterization)」の2つのミッションに分かれている。
ディープ・インパクト彗星探査機は2005年1月12日に打ち上げられ、2005年7月にテンペル第1彗星に接近し、観測を行った。また、重さ約370kgのインパクターを放出し、テンペル第1彗星に衝突させた。
ディープ・インパクト彗星探査機を再利用したことで、エポキシ探査機のミッションはわずか4000万ドル(約44億円)という低予算を達成している。
写真=NASA。
■NASA's EPOXI Mission Sets Up for Comet Flyby
http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2010-317
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