カッシーニ撮影、土星南極のオーロラ

2010年9月28日 12:00

 米航空宇宙局(NASA)は9月23日、カッシーニ土星探査機によって撮影された、土星の南極周辺で発生したオーロラの画像と動画を公開した。

 この擬似カラー画像は土星の南極から約1000km離れた距離で、カッシーニの可視光・赤外線マッピング分光計(VIMS)によって撮影されたものを合成したもの。赤外線に近い光で撮影したため、土星全体が紫色、オーロラは緑色に写っている。

 「土星のオーロラは非常に複雑で、私たちはまだ研究し始めたばかりです。この研究はオーロラの多彩な状況を提供し、私たちは何によって(オーロラが)変化するのを理解できるようになるでしょう」

 今回の研究について、カッシーニの科学者であるトム・スタラード(Tom Stallard)氏はこのように述べた。

 オーロラは地球、木星、土星など、ほとんどの惑星の高緯度で確認できる。太陽風のプラズマ粒子が惑星の磁場に捉えられ、複雑な過程を経て大気上層の粒子と衝突し、励起させた発光現象がオーロラである。地球は高度100キロメートルから500キロメートルでオーロラが生じるのに対し、大気のほとんどが水素の土星では、高度1200キロメートル付近でオーロラが発生する。

 写真=NASA。

 ■New Views of Saturn's Aurora, Captured by Cassini

http://www.nasa.gov/mission_pages/cassini/whycassini/cassini20100923.html


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