ミノタウロス4ロケット、初のスペースデブリ監視衛星を打上げ

2010年9月27日 13:30

 オービタル・サイエンシズ社は太平洋夏時間9月25日21時41分(日本時間9月26日13時41分)、米空軍の宇宙配備宇宙監視衛星(SBSS)初号機を載せたミノタウロス4ロケットを、カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地から打ち上げた。

 打ち上げられたロケットは順調に飛行し、打ち上げから約15分後にSBSS初号機を所定の軌道に投入し、打ち上げが成功した。

 SBSS初号機はボーイング社が開発した軍事観測衛星で、光学センサーを搭載し、高度約630kmの軌道上で、スペースデブリを24時間体制で監視する。これまで地上の望遠鏡を用いて、スペースデブリを監視するシステム(スペースガードなど)があったものの、宇宙でスペースデブリを監視するのはこれが初めて。

 SBSSから得たデータは米空軍や米国防総省が利用するほか、米航空宇宙局(NASA)にも提供され、国際宇宙ステーション(ISS)やスペースシャトルのミッションにも適用される。また、SBSSはスペースデブリだけでなく、他の人工衛星を監視し、その軌道を特定することもできるという。

 なお、小さいサイズのスペースデブリをどこまで検出できるかは不明で、SBSS初号機の観測能力などについても公開されていない。

 スペースデブリ(宇宙ごみ)とは、地球の周りで回り続けている、壊れた人工衛星、ロケットや衛星から剥れた塗料や破片などの物体のこと。スペースデブリは高速で飛行し、スペースシャトルやISSと衝突すれば、大きな被害となる。そのため、スペースガードやオービタル・デブリ・プログラムなどは大きいデブリを常時監視しているが、実際小さいデブリも多く存在し、発見することが難しく、問題視されている。

 ■Orbital Successfully Launches Minotaur IV Rocket for U.S. Air Force Carrying Space Based Space Surveillance Satellite

http://www.orbital.com/NewsInfo/release.asp?prid=747


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