"世界最高の服地"に、日本から2社
2010年9月18日 18:45
出展社の中から優れた商品PVアワードが16日に発表され、日本からケイライン(イマジネーション賞)と日本毛織(ウールマーク特別賞)の2社が選出された。日本企業は昨年に続き、2社がアワードを獲得、もの作りの強さを示した。
ケイラインが受賞の対象となったのは、真ん中に赤いウールを挟み込んだウールの3重織り。見た目の派手さはないものの、「イマジネーションをかき立てる素晴らしい作品」(選考委員長のエンチョ・カパサ氏という高い評価を受けた。
ケイラインは福井を拠点に置くファブレス型のテキスタイルメーカーで、今回がPV初出展。従業員数がわずか4名、年商約4億円の中小企業が、初出展で680社の中から栄冠を獲得する異例の事態となった。合繊の先染め生地の開発に定評があり、今回アワードを獲得した商品は、尾州で織りを、北陸で最終仕上げを行ったもの。
水野和之社長は、「もの作りは、準備や製織、仕上げまで、我々も含め、従業員数は数名の企業と取り組みながら行っている。高いレンジの商品だが、これからも胸を張って欧州のビジネスを展開していきたい」と語った。
ウールマーク特別賞に選出された日本毛織は、軍服などの過去のアーカイブスを復刻するヴィンテージシリーズに、特殊な後加工を付与した商品。伝統とテクノロジーを高度なレベルで融合した」(カパサ氏)点が高く評価された。
日本毛織は、紡績から織り、染色・加工までの一貫体制が強み。自社の過去の膨大なアーカイブスをベースに設計される、スーパーファインメリノウールの極細番手による極薄ガーゼやシフォンなどが、内外の有力ブランドのデザイナーから高い支持を得ていた。