三菱レイヨン・アクリル繊維 4-6月期で黒字確保
2010年9月16日 12:49
三菱レイヨンはアクリル繊維事業で、10年度もマイクロアクリル「MIYABI」シリーズをセーターやジャージ向けを含めて打ち出すとともに、新たに開発した「キュートリー」や「トリプルワン」新タイプなどで拡販を計画する。また、これらによる同業他社との共同開発にも乗り出していき、「ボンネル」商品ラインの増強・付加価値アップと取り組んでいく。
三菱レイヨンはアクリル繊維事業で、08年度末に終わらせた構造改善効果を発現させ、10年4-6月期決算で黒字浮上を達成したという。
この間、マイクロアクリルを統合した「MIYABI」シリーズを国内外の肌着用途を中心に打ち出し拡販を達成。10年秋冬商戦ではとくに対中輸出が好調で、インナー・肌着系アパレル「トップ10社の大半に『MIYABI』が採用された」(河●隆雄アクリル繊維部長)としている。
また、肌着を着用する習慣がなく、アクリルは安物というイメージが浸透していたため、これまでは参入できなかったEU市場の開拓を10年秋冬で実現。EUアパレルが製品を調達する中国縫製工場に「MIYABI」が採用された。
現在、11年秋冬に向けた企画提案と取り組んでおり、新たに開発した消臭素材「キュートリー」や「トリプルワン」の新企画などをラインアップ。
商品ライン全体を「グレードアップさせてさらに肌着に『ボンネル』を浸透させる」(河●部長)だけでなく、「MIYABI」シリーズをセーター、ジャージにも広げ国内外で拡販を計画する。
「キュートリー」は「ボンネル」/アセテートによる複合原綿「A・H・F」を改質し消臭性能を引き上げた新素材。綿混やレーヨン混で打ち出す。
「トリプルワン」はいずれも極細タイプの「ボンネル」、レーヨン、コットンをミックスした混紡糸。11年秋冬に向けては、バルキータイプ、太陽光発熱「コアブリッド サーモキャッチ」混、オーガニックコットン混などで商品ライン拡充を進めている。
また、11年秋冬スタートを目標に、「MIYABI」シリーズや「コアブリッド サーモキャッチ」などで同業他社とのコラボレーションにも着手した。
セルロース系素材を展開する素材メーカーや商社、紡績メーカーなどとの共同開発と取り組んでおり、「ボンネル」特化素材群による商品バリエーションを一気に充実させ、インナーやアウター用途に浸透させる。