ロームグループのアグレッド、家庭用LED照明を54機種に拡充
1970年1月1日 09:00
環境への配慮や節電ニーズが高まる中、LED照明市場が急速に拡大している。市場調査を手掛ける富士経済によると、LED照明器具の国内市場規模は、2012年に数量ベースで325万台(2008年比371.0%増)、金額ベースで578億円(同335.2%増)と見込まれており、今後もその勢いは加速すると考えられている。
こうした市場背景のもと、半導体メーカーであるロームグループのアグレッド(10月1日より丸善電機から社名変更)は、家庭用LED照明のラインアップを大幅に拡充。今回はペンダントライトやセパレートシーリング、シーリングライトなど「AGLED(アグレッド)」シリーズ合計54機種としている。同シリーズには、ロームが誇る2,665パターンの調光調色機能に加え、人間の生活リズムにあわせたサーカディアンリズム機能を新搭載。日中は白色から昼白色、夜は落ちついた電球色とサーカディアンリズムに沿った最適な光が24時間自動で選択される。
ロームは、1973年にLEDを発売して以来、半導体総合メーカーとして高品質LEDの提供を続けており、2009年には業界最薄の天井直付型シームレスベース照明を発売してLED照明事業に参入。順次、製品ラインアップの拡充を進め、オフィスや商業施設などに多くのLED照明器具を採用されている。「AGLED」シリーズはこうしたロームのLEDデバイス技術や配光技術、高効率電源制御技術と、丸善電機が持つ照明デザイン技術、照明器具設計技術を融合し開発に成功したもの。どんな空間にも馴染む違和感のないデザインとまぶしさを抑えた優しい光に評判が高い。
今回新登場する「AGLED」シリーズのなかでも、業界最高レベルの薄さを実現したLEDシーリングファン3種は注目度が高いようだ。同製品は、LEDモジュールユニットの小型化により、フラットな灯体デザインを実現。従来タイプよりも器具高を30%もスリムになり、27.5cmまで薄くすることが可能となる。さらに、従来品では取付けが難しかった一般的な天井高(2.4m程度)でも圧迫感なく使用できるため、シーリングファンをあきらめていたマンションのリビング空間などにも活用できることから、マンションの購入率が高い若い世代からの受注が増えると予測される。
また、今回のラインアップにより、エクステリアも含めて家庭用照明を家1軒まるごと「AGLED」シリーズのLED照明に置き換えることができる。全機種10月には発売する予定で、初年度は年間20万台の販売を目指す。
尚、アグレッドは10月1日付けで社名を丸善電機から変更した。アグレッドは1921年の創業から、90年以上に渡って照明器具の開発・製造・販売を行い、高品質な照明器具でコンシューマー向け照明市場の高いシェアと地位を確立してきたが、2010年10月にロームグループに加わった後も、LED照明製品の開発を進め、「AGLED」のブランド名で販売。社名変更後は、現在、全体の30%であるLED照明製品の売上比率を、1年後には80%以上にすることを目指す。