パナソニック、三洋本社ビルを売却へ
0201年10月26日 13:50
23日、パナソニック<6752>が大阪府守口市にある、子会社の三洋電機の本社ビルを売却する意向を示していることが分かった。売却先の候補には、民間企業や、庁舎移転を検討している守口市などが挙がっている。パナソニックとしては、三洋電機の大幅な事業縮小により、本社ビルを保有し続ける必要はないと判断したようだ。
パナソニックは2013年3月期の連結決算で、2期連続となる7000億円超の税引き後赤字を計上しており、大きく減った手元資金を確保するとともに、売却することで資産圧縮を図り、グループの経営効率改善につなげる考えがあるようだ。売却額は30~40億円の見通しで、14年度末までには売却をまとめる方向だ。
大阪府守口市にある三洋電機本社のうち、主要部門や社員食堂などが入っている「第1ビル」は、1999年に建設された。地上10階・地下1階建てで、延べ床面積は約2万8500平方メートル。本社の周りにもいくつかの自社ビルがあり、そこで合計1000人以上の社員が勤務している。パナソニックはそれぞれのビルごとに、売却先を決めるものとみられている。
11年に、パナソニックは三洋電機を完全子会社化した。今年4月までに国内製品はすべてパナソニックブランドに統一させるなど、事業の統合を進めていた。8月には三洋電機が、白物家電事業からの完全撤退を発表し、その事業規模を大幅に縮小させていた。
子会社化したのち、パナソニックは三洋電機の一部の事業や資産などの、売却を進めてきた。今回売却の対象となっている本社ビルだが、三洋電機の広報担当者は23日、売却に関して「まだ何も決定はしていない」とコメントしている。
三洋電機本社の近くにある守口市役所の本館は築62年で、そのため老朽化も進んでいることから、守口市は9月にプロジェクトチームを立ち上げ、移転先や改修の検討などを開始していた。今回売却の話が浮上している三洋電機本社ビルも、移転先の候補地のひとつであることは確かなようだが、守口市は「まだ交渉もなにもしていない」とコメントしている。(編集担当:滝川幸平)