27日の香港市場概況:ハンセン0.04%安で3日ぶり小反落、テック指数は0.7%上昇

2024年12月27日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 27日の香港市場概況:ハンセン0.04%安で3日ぶり小反落、テック指数は0.7%上昇
連休明け27日の香港市場は、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比7.83ポイント(0.04%)安の20090.46ポイントと3日ぶりに反落する一方、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は1.44ポイント(0.02%)高の7305.36ポイントと3日続伸した。売買代金は856億190万香港ドルとなっている(半日立ち合いの24日は845億9050万香港ドル)。


中国経済の成長鈍化が警戒される流れ。世界銀行は26日発表した最新リポートで、中国の2025年の国内総生産(GDP)成長率予想を従来の4.1%から、4.5%に上方修正したが、23年実績や24年予測からは鈍化する見通しだ。消費者や企業の信頼感の低迷、不動産業界の不振が25年も引き続き成長の重しと分析している。今月に入り公表された11月の各種経済統計は、内需の弱さを印象付ける内容だった。


もっとも、下値を叩くような売りはみられない。外電は24日、消息筋情報として、「中国当局は2025年に3兆人民元(約64兆6000億円)規模の特別国債発行を決定したもよう」などと報じた。また、中国の国務院(内閣に相当)は25日、「地方専項債」(公益事業向け資金調達を行う特別地方債)の投資対象について、これまでの交通インフラに加え、IT、新素材、デジタル経済、低空経済など新興産業のインフラも追加すると表明。関連銘柄に買いが先行した。寄り付き直後に公表された11月の工業企業利益については、前年同月比7.3%減と4カ月連続のマイナス成長となったが、減少率は9月の27.1%、10月の10.0%から縮小が続いている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、消費関連の下げが目立つ。自動車ディーラーの中升集団HD(881/HK)が4.4%安、飲料の農夫山泉(9633/HK)が4.1%安、電子商取引(Eコマース)の京東集団(JDドットコム:9618/HK)と外食の海底撈国際HD(6862/HK)がそろって3.5%安、乳製品の中国蒙牛乳業(2319/HK)が3.0%安で引けた。


医薬品開発受託機関(CRO)など創薬支援関連もさえない。無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が3.1%、来凱医薬(2105/HK)が2.7%、薬明合聯生物技術(2268/HK)が2.5%、康龍化成(北京)新薬技術(3759/HK)が2.1%ずつ下落した。


半面、半導体やAI(人工知能)関連は高い。華虹半導体(1347/HK)が5.4%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が5.1%、北京第四範式智能技術(6682/HK)が6.1%、商湯集団(センスタイム・グループ:20/HK)が3.4%ずつ上昇した。


そのほか、携帯端末・EVメーカーの小米集団(1810/HK)が4.3%高。大規模AIモデルの期待が強まってる。現地メディアは26日、小米集団が独自GPU(画像処理半導体)クラスター「万カ集群」の構築を進め、大規模言語モデル(LLM)投資に注力するもようと伝えた。新興ハイテクなどの物色で、ハンセン科技(テック)指数は0.7%上昇している。


一方、本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.06%高の3400.14ポイントで取引を終了した。不動産が高い。証券、軍事関連、医薬、消費関連、公益、運輸なども買われた。半面、ハイテクは安い。エネルギー、銀行・保険、通信も売られた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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