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神鋼商事は25年3月期2Q累計が計画超の大幅増益で通期営業利益予想を上方修正
(決算速報) 神鋼商事<8075>(東証プライム)は11月7日に25年3月期第2四半期累計(中間期)連結業績を発表した。計画を上回る大幅増益で着地した。アルミ・銅ユニットで伸銅品が好調に推移したこと、海外子会社で一過性収益を計上したことに加え、販管費が想定を下回ったことも寄与した。そして通期の営業利益予想を上方修正し、期初予想に比べて営業減益幅が縮小する見込みとした。第2四半期累計の利益進捗率が高水準であることを勘案すれば、さらに上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は調整一巡して反発の動きを強めている。指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。
■25年3月期2Q累計大幅増益、通期営業利益は減益幅縮小見込み
25年3月期第2四半期累計(中間期)の連結業績は売上高が前年同期比9.8%増の3066億76百万円、営業利益が17.0%増の70億24百万円、経常利益が21.9%増の61億09百万円、そして親会社株主帰属四半期(中間)純利益が23.0%増の45億68百万円だった。
計画を上回る大幅増益で着地した。5月9日付公表の期初計画に対して、売上高は86億76百万円、営業利益は25億24百万円、経常利益は10億09百万円、純利益は5億68百万円それぞれ上回った。アルミ・銅ユニットで伸銅品が好調に推移したこと、海外子会社で一過性収益を計上したことに加え、販管費が想定を下回ったことも寄与した。なお営業外ではデリバティブ評価損益が12億85百万円改善(前期は評価損6億18百万円、当期は評価益6億67百万円)したが、為替差損が13億74百万円増加(前期は差損63百万円、当期は差損14億37百万円)した。特別利益では負ののれん発生益1億79百万円を計上した。
セグメント別の経常利益を見ると、金属セグメントの鉄鋼ユニットは14.2%減の23億45百万円だった。売上面は半製品の受注増等で小幅増収を確保したが、利益面は取扱構成品目の変化等で減益だった。アルミ・銅ユニットは234.6%増の17億23百万円だった。取扱量の増加で大幅増収増益だった。銅製品は自動車用端子コネクター向けや空調銅管向け、アルミ製品は店売りや空調アルミ管向け、非鉄原料はアルミ屑向けが増加した。原料ユニットは78.0%増の11億34百万円だった。大幅増収増益だった。神戸製鋼所向け主原料の価格が下落したが、重点分野と位置付けている資源循環型ビジネスにおいて鉄スクラップやバイオマス燃料の取扱量が増加した。また海外子会社において一過性収益を計上した。
機械・溶接セグメントの機械ユニットは27.2%減の6億03百万円だった。減収減益だった。欧米のEV車低迷の影響で電池関連材料が減少し、建機部品も海外子会社において取扱量が減少した。溶接ユニットは14.4%増の3億53百万円だった。増収増益だった。溶接材料の取扱量が減少したが、溶接材料の販売単価上昇やチタン原料の取扱量増加などが牽引した。
なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高1523億43百万円、営業利益36億86百万円、経常利益35億78百万円、第2四半期は売上高1543億33百万円、営業利益33億38百万円、経常利益25億31百万円だった。
通期の連結業績予想(11月7日付で営業利益を上方修正)は、売上高が24年3月期比5.3%増の6230億円、営業利益が7.5%減の123億円、経常利益が14.2%減の110億円、親会社株主帰属当期純利益が11.1%減の81億円としている。配当予想は据え置いて24年3月期比15円減配の300円(第2四半期末150円、期末150円)としている。予想配当性向は32.6%となる。
上期実績を鑑みて通期の営業利益予想を16億円上方修正し、期初予想に比べて営業減益幅が縮小する見込みとした。経常利益、親会社株主帰属当期純利益、及び配当については、海外投資先の業況が不透明であることを主因に据え置いた。
ユニット別の経常利益計画は、金属本部小計が8億円減の89億円(鉄鋼が7億円減の59億円、アルミ・銅が1億円減の15億円、原料が0億円減の15億円)で、機械・溶接小計が9億円減の21億円(機械が8億円減の15億円、溶接が1億円減の6億円)としている。その他は横ばいの0億円としている。
鋼材等の市況については24年3月期並みの水準を想定し、鋼材価格の高値推移や鋼材取扱量の増加により増収だが、人件費や営業費などの増加により減益予想としている。ユニット別には、鉄鋼は前期の米国子会社における貸倒引当金戻入額一巡や販管費の増加を見込んでいる。アルミ・銅は低調だった中国での緩やかな回復を見込むが販管費の増加を見込んでいる。原料はバイオマス燃料の取り扱いが堅調に推移する見込みだ。機械は売上高が横ばいだが販売管理費の増加、溶接は取扱量の横ばい推移を見込んでいる。
通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高49%、営業利益57%、経常利益56%、親会社株主帰属当期純利益56%である。第2四半期累計の利益進捗率が高水準であることを勘案すれば、さらに上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。
■株価は調整一巡
株価は調整一巡して反発の動きを強めている。指標面の割安感も評価して出直りを期待したい。11月7日の終値は6440円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS920円00銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の300円で算出)は約4.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS9770円13銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約571億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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