ゼリア新薬工業は25年3月期2Q累計大幅増益、通期は再上振れ余地

2024年11月7日 09:29

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  ゼリア新薬工業<4559>(東証プライム)は11月6日に25年3月期第2四半期累計(中間期)連結業績を発表した。大幅増収増益(11月5日付で上方修正)だった。海外の医療用医薬品事業がディフィクリアを中心に好調に推移したことに加え、欧州通貨に対するスイスフラン安の進行で営業外収益に為替差益を計上したことも寄与した。そして通期も増収増益予想(11月5日付で上方修正)としている。通期については為替差益の発生を見込んでいないが、引き続き海外の医療用医薬品事業が好調に推移する見込みだ。通期会社予想には再上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は年初来高値を更新した。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■25年3月期2Q累計大幅増益、通期は再上振れ余地

 25年3月期第2四半期累計(中間期)連結業績は売上高が前年同期比15.7%増の424億22百万円、営業利益が21.2%増の64億59百万円、経常利益が44.6%増の79億49百万円、そして親会社株主帰属四半期(中間期)純利益が12.3%増の60億61百万円だった。

 大幅増収増益(11月5日付で上方修正)だった。前回予想(5月9日付公表の期初計画)に対して売上高は14億22百万円、営業利益は8億59百万円、経常利益は23億49百万円、親会社株主帰属四半期(中間)純利益は17億61百万円、それぞれ上回った。海外の医療用医薬品事業がクロストリジウム・ディフィシル感染症治療剤ディフィクリアを中心に好調に推移したことに加え、欧州通貨に対するスイスフラン安の進行で営業外収益に為替差益13億20百万円を計上(前年同期は1百万円)したことも寄与した。

 医療用医薬品事業は売上高(外部顧客への売上高)が19.4%増の285億44百万円、営業利益(全社費用等調整前)が10.9%増の58億30百万円だった。主要製品の売上高は、アサコールが11.5%増の112億54百万円、ディフィクリアが51.1%増の98億89百万円、エントコートが7.5%増の26億30百万円、アコファイドが0.3%増の15億26百万円、その他が1.4%減の32億43百万円だった。潰瘍性大腸炎治療剤アサコールは国内が薬価改定の影響で苦戦したが、海外が好調に推移した。クロストリジウム・ディフィシル感染症治療剤ディフィクリア(国内販売名ダフクリア)はフランス、スペイン、ドイツなどで売上が拡大した。炎症性腸疾患(IBD)治療剤エントコート(国内販売名ゼンタコート)は、カナダでの売上が好調だった。

 コンシューマーヘルスケア事業は、売上高が8.7%増の138億02百万円、営業利益が23.6%増の31億21百万円だった。主要製品の売上高は、ヘパリーゼ群が13.2%増の58億77百万円、コンドロイチン群が1.3%減の28億25百万円、ウィズワン群が17.9%増の7億22百万円、その他が8.5%増の43億76百万円だった。ヘパリーゼ群は医薬品ヘパリーゼ群・コンビニエンスストア向けヘパリーゼW群とも伸長した。植物性便秘薬ウィズワン群や皮膚疾患治療剤プレバリン群も伸長した。

 その他(保険代理業・不動産賃貸収入等)は売上高が1.9%減の75百万円、営業利益が4.7%減の1億18百万円だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高214億55百万円、営業利益39億39百万円、経常利益54億59百万円、第2四半期は売上高209億67百万円、営業利益25億20百万円、経常利益24億90百万円だった。

 通期の連結業績予想(11月5日付で上方修正)については、売上高が24年3月期比13.6%増の860億円、営業利益が14.3%増の110億円、経常利益が29.2%増の110億円、親会社株主帰属当期純利益が9.9%増の85億円としている。配当予想は据え置いて24年3月期比2円増配の46円(第2四半期末23円、期末23円)としている。連続増配で予想配当性向は23.9%となる。

 前回予想(5月9日付公表の期初計画)に対して、売上高を30億円、営業利益を10億円、経常利益を10億円、親会社株主帰属当期純利益を7億円、それぞれ上方修正した。通期については為替差益の発生を見込んでいないが、引き続き海外の医療用医薬品事業が好調に推移する見込みだ。第2四半期累計の進捗率は売上高49%、営業利益59%、経常利益72%、当期純利益71%である。通期会社予想には再上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は年初来高値を更新した。週足チャートで見ると13週移動平均線が支持線の形となっている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。11月6日の終値は2372円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS192円83銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の46円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1806円33銭で算出)は約1.3倍、そして時価総額は約1260億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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