SFP Research Memo(1):2025年2月期上期は増収ながら営業減益。通期では増収増益を見込む

2024年10月28日 13:01

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記事提供元:フィスコ

*13:01JST SFP Research Memo(1):2025年2月期上期は増収ながら営業減益。通期では増収増益を見込む
■要約

1. 会社概要
SFPホールディングス<3198>は、駅前・繁華街(路面店)での24時間営業※で人気業態となっている「磯丸水産」(海鮮居酒屋)や「鳥良商店」(鶏料理専門店)等の運営を主力事業としている。一等立地による集客力を最大限に生かした独自の収益モデルの確立により、高い収益性と成長性を実現してきた。2021年2月期以降は、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けて業績が大きく後退したことから新規出店等の大規模投資を控え、コスト削減による収益体質の強化に専念してきたが、コロナ禍収束後(以下、アフターコロナ)における国内消費の回復やインバウンド需要の取り込み等により、いよいよ本格回復の兆しが見えてきた。新たな成長ステージに向けて地方都市への出店や注力業態の育成にも取り組んでいる。2024年8月末の総店舗数は207店舗(うちFC18店舗)である。

※ 市場特性等によっては、24時間営業でない店舗もある。

2. 2025年2月期上期の業績
2025年2月期上期の業績は、売上高が前年同期比5.3%増の15,037百万円、営業利益が同10.1%減の907百万円、経常利益が同7.7%減の1,023百万円と増収減益となった。夏場における台風の影響により一部店舗で休業が発生したものの、アフターコロナから取り組んできた営業時間(深夜帯)の伸長※や好調なインバウンド需要の取り込みが奏功し、増収を確保した。損益面では、食事利用メインの訪日客増が原価率の押し上げ要因となった一方、メニュー見直し等により円安及び物価高の影響は限定的であり、ほぼ前年同期並みの原価率水準を維持することができた。ただ、販管費については、採用拡大に伴う人件費増や光熱費の増加(補助金効果のはく落)により拡大し、その結果、営業減益となった。

※ 深夜帯は、酒類の注文が多く高マージンであり、居酒屋にとっては稼ぎ時となる。同社では、外国人スタッフ採用などを含めて人手不足対策を進め、段階的に深夜帯営業の再開に取り組んだ。

3. 2025年2月期の業績予想
2025年2月期の業績については期初予想を据え置き、売上高が前期比3.2%増の30,000百万円、営業利益が同3.6%増の2,100百万円、経常利益が同2.8%増の2,300百万円と増収増益を見込んでいる。引き続きインバウンド需要が追い風となるなか、既存店の伸びや新規出店した店舗が増収に寄与する見通しだ。損益面では、人件費や補助金終了等に伴う光熱費(電気・ガス代)の増加のほか、新規出店に係る一時費用の発生、中期的な成長のための積極投資等を想定しているものの、増収に伴う収益の底上げにより増益を確保する見通しである。

4. 今後の方向性
同社は、2020年2月期までは毎年、向こう3ヶ年の中期経営計画を公表してきたが、2021年2月期以降はコロナ禍の影響により先行き不透明な状況にあったことから公表を見送っている。ただ、今後の環境変化等を見据え、短・中期的な方向性を明示しており、(1) 地方都市への出店、(2) 注力している大衆酒場業態の拡大、(3) 既存店の伸び(訪日観光客・深夜営業)、(4) インフレ対策(価格転嫁等)などに取り組むことで、本格的な成長軌道への早期回帰を目指す。

■Key Points
・2025年2月期上期は増収ながら営業減益
・営業時間(深夜帯)の伸長やインバンド需要の取り込みにより増収となるも、採用拡大に伴う人件費増により費用が拡大
・2025年2月期の業績は期初予想を据え置き、増収増益となる見通し
・地方都市への出店、大衆酒場業態の拡大、既存店の伸び、インフレ対策等により、本格的な成長軌道への早期回帰を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)《HN》

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