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活況を見せる東京メトロIPO
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●東京メトロが23日に上場へ
東京地下鉄(東京メトロ)は15日、新規公開価格(IPO)に伴う売り出し価格を1200円に決定したことを発表した。東京メトロは10月23日に東証プライム市場へ上場する。
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売り出し総額が2.4兆円となった2018年の通信大手ソフトバンク以来の大型上場となる。
割安な価格設定で、高い配当利回り、株主優待の発行など、機関投資家らも個人投資家からも大きな期待が集まり、一大イベントとなりそうである。
●東京メトロの上場の内容
東京メトロの株主は、政府が53.4%、東京都が46.6%だったが、上場後は政府が26.71%、東京都が23.29%、従業員持ち株会が2%となる。
公開価格による売り出し総額は3,486億円、時価総額は6,972億円となる。
配当金は25年3月期で年間40円の予定となり、配当利回りは約3.6%。200株以上保有していれば、年2回の株主優待も受けられる。
保有株数に応じた全線切符や定期乗車証の他に、地下鉄博物館の無料招待券、運営するそば・うどん店でのかき揚げトッピング無料券、ゴルフ練習場の無料券などのサービスが受けられる。
JR各社の株価が3000円近く、配当利回りが2%台前後であることなどを考慮すれば、買いやすさ、お得感はある。
●成長性などに疑問視も
時価総額で見ると、JR各社だけでなく、西武HDや阪急阪神HDといった各私鉄などに比べても見劣りする。それでも、小田急や京成電鉄などよりは高く、企業価値としては見劣りしない。
輸送人員は圧倒的に多く、1日平均の輸送人員は652万人(2023年度)と、関東の私鉄では2位となる東急の約2倍だ。
ただ、営業収入の90%超が鉄道事業に依存することへの不安の声や、国と東京都が未だ半分の株数を保有することで、経営の自由度や成長性疑問視する声もある。
コロナパンデミックのようなことが起きれば、売上・利益へダメージを受けやすい。
それでも、会社としての安定性を好感する声も多く、株主優待は首都圏に住んでいる投資家しか使えないが、高い配当利回りのためインカムゲイン目当てで、NISAで長期保有したいという声も多く、資産価値としては高いだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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