ドリーム・アーツ Research Memo(5):「SmartDB」で「デジタルの民主化」を推進(3)

2024年10月15日 14:05

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記事提供元:フィスコ

*14:05JST ドリーム・アーツ Research Memo(5):「SmartDB」で「デジタルの民主化」を推進(3)
■ドリーム・アーツ<4811>の事業概要

b) ホリゾンタルSaaS「InsuiteX」
「InsuiteX」は、2002年7月にリリースした「INSUITE Enterprise」の後継プロダクトとして、2020年に最新クラウドアーキテクチャをベースに全面刷新された。企業内の従業員が社内情報にアクセスするために訪れる「社内ポータル」を構築するためのツールで、利用ユーザー数は65万人を超える。「InsuiteX」は、経営情報から現場情報に至るまで、企業内のあらゆる情報を集約・発信・共有するプラットフォームとして、大企業の組織運営をサポートする。全社向けだけではなく、組織・個人ごとにポータルを作成し、業務遂行に必要な情報を集約することにより組織の生産性向上にも貢献する。企業文化・企業体質の強化に向け、単なる情報共有を「意識共有」と呼べるレベルまで発展させることをコンセプトとして、継続的な開発を進めている。

(主な機能)
・ポータルデザイン機能
あらかじめ用意されたテンプレートに、必要な部品をドラッグ&ドロップ操作で配置し、ポータルを作成する。ポータルに表示する部品は、アイコン形式、バナー形式、外部サイト埋め込み形式など複数の形式から選択する方式を採用しており、柔軟にカスタマイズできる。

・通知通達機能
社内に周知徹底させる必要のある通知や通達を作成し、指定したポータル上に表示する。部署、役職、グループなどの切り口で宛先指定したり、通知通達に回答フォームを設けることで、現場の実施状況を把握し、業務の抜け漏れを防止したりする。

・集計機能
簡易なアンケートや投票、クイズ形式の通知を作成する。収集したデータは組織やグループ単位で集計し、組織エンゲージメントを高める施策などに活用できる。

・業務ダッシュボード機能
ポータル内のデータだけでなく、他システムに蓄積されたデータも、グラフとして表示できる。あらかじめ用意されたテンプレートを選択し、様々な切り口からデータを可視化することで、分析に活用できる。

c) バーティカルSaaS「Shopらん」
「Shopらん」は、チェーンストアの店舗運営を支援するための情報共有ツールである。チェーンストア業界では本部店舗間の情報伝達に問題を抱えていることが多いが、「Shopらん」は本部からの指示を的確に店舗に届け、業務実施率を向上させることで機会損失の発生を防止する。また、現場情報をリアルタイムに収集し、店舗運営方針の転換に生かすなど、業界特有の課題に対応した機能を提供することで、現場の生産性向上や業務品質の改善、人材育成などをサポートする。「SmartDB」と同様に、「Shopらん」も「ITreview Grid Award 2024 Summer」において、店舗管理システムの部門で最高位の「リーダー」に2期連続で認定された。また、(株)富士キメラ総研の「業種別IT投資/デジタルソリューション市場 2024年版」においては、2023年の本部・店舗間コミュニケーションツール市場で「Shopらん」がベンダーシェア63.6%でNo.1を獲得した。

(主な機能)
・本部と店舗で異なるユーザーインターフェイス
「Shopらん」は、本部と店舗で異なるインターフェイスを採用している。本部のインターフェイスはスケジュール形式になっており、店舗への業務指示・業務負荷を一覧して把握できる。一方、店舗側のインターフェイスは、当日に処理すべき業務のみがタスクリストとして表示されるため、業務指示の選別や優先順位付けを行うことなく、対処すべき業務に集中できる。

・指示通達及び情報収集機能
あらかじめ用意されたテンプレートを使用して、経営戦略、販売戦略に基づく指示通達を作成し、店舗を選択のうえ発信する。テンプレートはドラッグ&ドロップで操作する。また、業務実施状況の回答欄や、店舗スタッフの意見やアイデアを入力する欄を設ける機能も備えており、現場情報を素早く収集できる。

・その他の機能
人材教育を目的とする動画コンテンツ共有機能や、電子マニュアル機能がある。また、各店舗のアイデアやクレーム情報、店頭ディスプレイ画像などの共有や、備品発注・在庫移動などのワークフロー、QSC※チェックなど、店舗運営に必要となる機能もある。

※ QSC:Quality、Service、Cleanlinessの略。クオリティ(品質)、サービス(接客)、クリーンネス(清潔さ)の頭文字で構成された略語。チェーンストア経営において最も重視される指標のこと。

d) 特定顧客向け開発運用一体型サービス「DCR」
「DCR」は、企業固有の戦略要件に基づいてシステムを開発し、クラウド基盤上で運用しつつ継続的な機能拡張開発を行う、特定顧客向け開発・運用一体型のサービスである。初期のシステム開発は、プロフェッショナルサービス事業で開発を請け負うが、運用開始後は月額利用料によるクラウドサービスとして提供する。「DCR」は特定の顧客3社に限定し提供しており、ソリューション例としては、ケーブルテレビ運営会社向け営業支援ソリューション、流通小売業向け画像共有ソリューション、特殊法人向けファシリティ活用管理ソリューションがある。顧客数を増やす計画はなく、収益を確保しながら、最先端テクノロジーの活用による技術力の向上や、新たなプロダクト開発につながる顧客ニーズの発掘を目的としている。顧客の要件によっては、「SmartDB」をDCRシステムのパーツとして組み込むことも想定され、「SmartDB」を基盤とする新たなソリューション開発の可能性を模索している。

(2) オンプレミス事業
オンプレミス事業は、「SmartDB」及び「INSUITE」のアプリケーションソフトウェアをオンプレミス環境で利用するパッケージソフトウェアとしてライセンス提供している。ただし、新規顧客にはSaaSを提供し、パッケージソフトウェアの提供は既存顧客の追加発注に限定している。なお、パッケージソフトウェアの継続的な利用を促進するため、ソフトウェアメンテナンスを提供している。ソフトウェアメンテナンスには、技術的な問い合わせ対応に加え、バージョンアップ版の提供が含まれる。また、パッケージソフトウェアの拡張機能として開発したプラグインソフトウェア※の保守サービスも提供している。

※ プラグインソフトウェア(plug-in software):あるアプリケーションソフトウェアの機能を拡張するソフトウェアを指す。個別に追加してバージョンアップが可能で、不要になればアプリケーションに影響を与えることなく削除できる。

(3) プロフェッショナルサービス事業
プロフェッショナルサービス事業は、クラウド事業及びオンプレミス事業にかかるサービスを提供している。請負契約もしくは準委任契約に基づくシステム開発及び役務提供を行い、投入した工数に応じてスポット収益を得る。

サービスの一例としては、各種SaaSのオンボーディング(導入支援)サービス、各種SaaSの利活用コンサルティングサービス、「DCR」の初期開発及び拡張開発などが挙げられる。また、パッケージライセンス用プラグインソフトウェアの改修及び追加開発やオンプレミス環境からのSaaS移行サービス、そのほかの役務提供サービスも提供している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)《HN》

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