ヤマシタヘルスケアホールディングスは25年5月期1Q減益だが進捗率順調

2024年10月2日 09:19

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東証スタンダード)は、9月30日に25年5月期第1四半期連結業績を発表した。人件費や販管費などの増加で減益だったが、売上面は主力の医療機器販売が好調に推移した。通勤の減益予想を据え置いたが、第1四半期の進捗率が順調だったことを勘案すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合いが悪化する状況でも高値を更新した。指標面の割安感も支援材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■25年5月期1Q減益だが進捗率順調で通期上振れ余地

 25年5月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比8.3%増の151億83百万円、営業利益が9.1%減の1億78百万円、経常利益が9.4%減の1億93百万円、親会社株主帰属四半期純利益が48.6%減の83百万円だった。

 人件費や販管費などの増加で減益だったが、売上面は主力の医療機器販売が好調に推移した。営業利益18百万円減少の要因分析は、売上総利益の増加で1億17百万円増益、人件費他関連費用の増加で83百万円減益、発送運賃および旅費交通費他の増加で9百万円減益、保守料・車両費その他設備管理費の増加で42百万円減益だった。

 医療機器販売業は売上高が8.4%増の151億77百万円、セグメント営業利益(全社費用等調整前)が1.9%減の4億47百万円だった。売上高の内訳は、一般機器分野(画像診断機器、放射線診断装置等)が23.8%増の18億66百万円、一般消耗品分野(手術関連消耗品等)が2.3%増の62億98百万円、低侵襲治療分野(内視鏡、サージカル備品等)が3.0%増の35億27百万円、専門分野(整形、理化学、透析等)が21.3%増の31億64百万円、情報・サービス分野(設備保守メンテナンス等)が7.9%増の3億20百万円だった。放射線機器等の設備投資需要増加、検査・手術件数増加に伴う診察材料等の医療機器消耗品の需要増加に加え、24年6月14日付で全株式を取得したマイクロソニックの新規連結も寄与した。

 医療機器製造・販売業は売上高が21.1%減の58百万円で営業利益が0百万円の損失(前年同期は7百万円の利益)だった。医療モール事業は売上高が5.9%減の16百万円で営業利益が83.5%減の0百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年5月期比9.4%増の673億19百万円、営業利益が20.2%減の7億71百万円、経常利益が19.5%減の8億21百万円、親会社株主帰属当期純利益が12.2%減の5億09百万円としている。配当予想は24年5月期比9円減配の61円(期末一括)としている。予想配当性向は29.8%となる。

 需要が堅調に推移して増収だが、人的資本経営の強化に伴う人件費増加などで減益予想としている。ただし第1四半期の進捗率が売上高23%、営業利益23%、経常利益24%、親会社株主帰属当期純利益16%と概ね順調だったことを勘案すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は高値更新

 株価は地合いが悪化する状況でも高値を更新した。指標面の割安感も支援材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。10月1日の終値は2900円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS204円47銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の61円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3429円08銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約74億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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