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【どう見るこの相場】10月相場入り、政局と経済指標に注目、日米中央銀行の金融政策と政治スケジュールが鍵
■政局風が吹く10月相場を前にアピール合戦の激化に備えて地方創生関連株も待機チャンス
2024年相場は、今週末27日に月替わりとなって早くも10月相場入りし、年内残すのはあと3カ月となってきた。前週末には日米中央銀行の金融政策決定会合のビッグ・イベントも通過し、米国経済のソフトランディング(軟着陸)期待からダウ工業株30種平均(NYダウ)は最高値追いとなり、東京市場の波乱材料だった為替相場も、一応、円安・ドル高方向にリバウンドして主力輸出関連株が買い戻されており、週明けは上値を試しそのまま年末高に向け弾みをつけるとの市場コメントも有力である。ただしその出だしの10月相場は、日米市場とも政治スケジュールがビッシリであり、これが追い風となるのか逆風となるのか、あるいは横風として吹くのか、これから発表される重要経済指標とともに目が離せなくなる。
現にFRB(米連邦準備制度理事会)の政策金利の通常の2倍の0.5%引き下げにも、早速、大統領選挙真っ只中にいるトランプ前大統領からクレームがつけられた。大幅利下げは、米国景気がそれだけ悪化しているか、対立候補のハリス副大統領を利する政治的な動きのいずれかだとブーイングした。日本銀行の政策金利据え置きも、立憲民主党の代表選挙と自由民主党の総裁選挙が行われている最中での政策決定であり、植田日銀総裁自身は、タカ派スタンス堅持しながらも、年内の利上げは難しいとの市場観測がしきりである。
政局が揺れ動いていることは、ことほど左様に日米中央銀行の金融政策に圧力を強めるだけでない。あと40日後の11月5日に投開票日が迫った米国の大統領選挙を前に「もしハリス」、「もしトランプ」のせめぎ合いのなか、「ハリス・トレード」と「トランプ・トレード」の攻防が激化する相場シナリオも想定される。また国内でも、前日23日に立憲民主党の代表選挙で野田佳彦新代表が選ばれ、27日には自民党の総裁選挙の投開票日を迎え、10月1日に召集される臨時国会の冒頭早々に解散があるのかないのかも焦点になる。立憲民主党の代表選挙でも、自民党の総裁選挙でも候補者の政策アピール合戦が演じられており、早期解散・総選挙ともなれば、政権交代の攻防を巡ってアピール合戦のヒートアップは必然で、それが追い風となるのか向かい風となるのは、それとも横風程度で済むのかは、即断は難しいもののマーケットに波及してくる。
この政局相場の走り銘柄は、今年8月23日にストップ高したさいか屋<8254>(東証スタンダード)だろう。世論調査で自民党の総裁選挙の第1位に小泉進次郎元環境大臣がランクされたことに反応し、同候補の選挙区とダブる神奈川県横須賀市を創業の地とした同社株に思惑買いが殺到した。その後も、マーケットには政局銘柄の買い人気が続いている。なかでも目立つのが地方創生関連株である。
■メルカリとサイネックス、地方創生関連株が急伸
例えばメルカリ<4385>(東証プライム)とサイネックス<2376>(東証スタンダード)である。メルカリは、「メルカリSHOP」を活用して愛知県南知多町の学校備品のリユース販売をサポートすると発表して年初来高値追いとなり、サイネックスは、佐賀県唐津市と人工知能(AI)を活用した自動会話プログラム「AIチャットボット」の契約を締結して株価急伸となった。この株価上昇が一過性に終わるかどうかは、まさに政局相場の先行き次第となるはずで、立憲民主党の代表選挙、自民党の総裁選挙、きたるべく解散・総選挙がカギを握ることになる。
地方創生関連株は、立憲民主党の代表選挙でも自民党の総裁選挙でも、地方開催の演説会では地方党員票の掘り起こしを狙ってか各候補とも、地方創生、東京一極集中の排除、農業・漁業・林業・観光業の振興などのリップサービスのオンパレードで、メルカリ、サイネックスの急動意もこれに乗ったフシがある。臨時国会召集後に解散・総選挙風が強まり政権交代を巡りさらにヒートアップし、地方創生関連株に追い風となる展開も想定される。週明け早々にメーン銘柄までレベルアップするとするのは期待し過ぎだろうが、定番銘柄のふるさと納税関連株はもちろん、インバウンド関連株、スマート農業関連株まで広く網を張って10月相場に備えて待機スタンスも一考余地がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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