26日の香港市場概況:ハンセン4.2%高で3日続伸、政策期待で不動産と消費が急騰

2024年9月26日 19:04

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記事提供元:フィスコ

*19:04JST 26日の香港市場概況:ハンセン4.2%高で3日続伸、政策期待で不動産と消費が急騰
26日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比795.48ポイント(4.16%)高の19924.58ポイントと3日続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が321.10ポイント(4.75%)高の7086.70ポイントと10日続伸した。ハンセン指数は昨年8月1日以来、約1年2カ月ぶりの高値水準に達している。売買代金は3028億7020万香港ドルに拡大し、2022年3月以来の大商いを記録した(25日は2548億4480万香港ドル)。

中国の景気支援スタンスが相場を押し上げる流れ。中国共産党は26日、中央政治局会議を開催し、財政・金融政策によるカウンターシクリカル調整機能を強化する方針を確認した。習近平・国家主席は十分な財政支出を政府に求め、不動産市場を安定化させる必要性に言及している。足元では追加支援策が相次ぐ。中国人民銀行(中央銀行)など主要な金融当局が24日、共同で記者会見し、金融緩和や不動産業支援、株価テコ入れなど広範な施策を明らかにしている。そのほか、上海市政府は25日、総額5億人民元(約103億円)の消費券を配布する方針を明らかにした。他の地方政府も同様の支援策を打ち出すとの期待も広がっている。

指標発表や大型連休を前に、朝方は上値の重い場面がみられたものの、指数は中盤から上げ幅を広げ、引けにかけて一段高となった。中国ではあす27日に8月の工業企業利益、週明け30日に9月の購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などによる)が公表されるほか、国慶節の大型連休が来週にスタートする(中国本土は10月1~7日が休場、香港は1日が休場)。(亜州リサーチ編集部)

ハンセン指数の構成銘柄では、デベロッパーや管理サービスなど本土不動産が急騰。龍湖集団HD(960/HK)が28.3%高、華潤置地(1109/HK)が21.5%高、華潤万象生活(1209/HK)が16.3%高、中国海外発展(688/HK)が15.7%高で引けた。

消費関連も上げが目立つ。外食の海底撈国際HD(6862/HK)が18.0%高、酒造の華潤ビールHD(291/HK)が15.7%高、スポーツ用品の李寧(2331/HK)が15.0%高で取引を終えた。

自動車セクターも高い。華晨中国汽車HD(1114/HK)が12.0%、小鵬汽車(9868/HK)が11.0%、理想汽車(2015/HK)が8.1%、長城汽車(2333/HK)が7.7%ずつ上昇した。

中国の保険・証券セクターも物色される。中国平安保険(2318/HK)が8.7%高、新華人寿保険(1336/HK)が7.5%高、中国太平洋保険集団(2601/HK)が5.2%高、中信建投証券(6066/HK)が11.7%高、広発証券(1776/HK)が7.1%高と買われた。

旅行(エアラインや代理店)やカジノなどレジャー関連も急伸。中国国際航空(753/HK)が10.4%高、中国南方航空(1055/HK)が10.0%高、中国東方航空(670/HK)が8.5%高、同程旅行HD(780/HK)が9.4%高、携程集団(9961/HK)が5.5%高、銀河娯楽集団(27/HK)が10.0%高、永利澳門(1128/HK)が9.3%高と値を上げた。

一方、本土市場は7日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比3.61%高の3000.95ポイントで取引を終了した。ほぼ全業種が上昇し、中でも不動産株が急伸している。消費関連株、金融株なども上げが目立った。


亜州リサーチ(株)《NH》

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