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ユミルリンク Research Memo(3):「Cuenote(R)」シリーズにより顧客のデジタルマーケティングを支援
*16:13JST ユミルリンク Research Memo(3):「Cuenote(R)」シリーズにより顧客のデジタルマーケティングを支援
■ユミルリンク<4372>の会社概要
3. 事業内容
同社は、メールマーケティングとSMSマーケティングの領域において、大規模・高速配信などの強みを持つメール配信システム「Cuenote(R) FC」、国内キャリア直収型を強みとするSMS配信サービス「Cuenote(R) SMS」、メールの遅延・不達を解消するメールリレーサーバー「Cuenote(R) SR-S」、Webアンケート・フォームを簡単に作成できる「Cuenote(R) Survey」のほか、災害時にメールやSMSなどで従業員の安否を確認する「Cuenote(R) 安否確認サービス」を提供している。また、2022年5月には本人認証機能を簡単に実装することができる「Cuenote(R) Auth」を新たにリリースした。これらのプロダクトによって、顧客のデジタルマーケティング活動及びDXを支援している。
ビジネスモデルは、サブスクリプションモデル(顧客から月額利用料などの形で定期的に料金を徴収するモデル)を採用し、安定的に収益が上がる仕組みを構築している。組織面については、同社人員の21%が営業人員として、電話営業や対面営業の形でサービスを販売している。販売後は充実したサポート体制や定期的なアンケートで顧客満足度の向上を図り、解約率の低減につなげている。
(1) 「Cuenote(R) FC」
デザイン性の高いメールを簡単に作成したい、大量のメールを正確かつ高速に配信したい、メールマーケティングの効果測定やデータ分析を行いたいといったニーズを叶えるサービスである。画像などの挿入が容易で、デザイン性の高いメールを簡単に作成できる「HTMLメールエディター」、顧客の行動に応じて適切なメールを自動配信する「シナリオ配信」、メールの効果を測定できる「開封・クリックカウント・コンバージョン測定」などの機能を備えている。
(2) 「Cuenote(R) SMS」
国内キャリアとの直収方式により高い到達率を持つSMS配信システムである。携帯電話やスマートフォンの電話番号を利用した本人認証や重要な通知・リマインド、自社サービスの販促情報などを送信できる。国内全キャリアと直接接続することで90%を超える高い開封率や、メール配信で培った大規模・高速配信技術が武器である。2022年12月には、より厳重なセキュリティ対策の一環としてワンタイムパスワードによる多要素認証への対応を開始し、消費者保護を重視する企業のニーズに対応した。
そのほかにも競争力を高めるために継続して機能拡張に取り組んでいる。2023年3月には、総合行政ネットワークでのSMS送信を可能とする「Cuenote(R) SMS for LGWAN」の提供を開始した。LGWANとは総合行政ネットワークのことである。「Cuenote(R) SMS」がLGWANに対応することにより、地方自治体関係者が普段使用している端末やシステムからセキュアな環境でSMSを送信することが可能になる。従来はセキュリティの観点から行政ネットワークとは区分された別の端末からSMSを送信する必要があったが、同サービスにより顧客の利便性が向上する。地方自治体などの行政においてもSMSを通じて住民へ通知するケースが増加しており、同社の事業機会の拡大が期待される。同年4月には双方向SMSでの送信者番号共通化※1への対応、同年6月にはWebhook対応の配信結果コールバック機能の追加※2、同年10月にはメッセージの誤送信防止を目的とした承認機能の追加を行った。そして、2024年8月には電話番号の変更によりメッセージが本人以外に届くリスクを低減する「他人接続判定機能」を新たに追加した。
※1 送信者番号共通化とは、SMSを送信する企業側が1つの番号で本人認証、重要な通知、業務連絡、プロモーションなどのSMSの送受信を可能とするものである。これまでは、企業と個人がSMSを送受信する場合には、企業側が携帯4社の利用者向けにそれぞれ個別の番号を用意する必要があったが、番号共通化により企業の番号が認識しやすくなることから、送信者のなりすましやフィッシング詐欺を抑制し、企業と個人間における安心・安全なメッセージのやりとりが可能になる。
※2 これまで顧客が定期的に取得する必要があったSMSの配信結果をリアルタイムで受け取ることができるようになった。
(3) 「Cuenote(R) SR-S」
メール遅延や不達を解消するエンジニア向けのメール送信API・リレーサーバーである。APIやSMTPリレーでメールを高速かつ確実に配信でき、SPFやDKIM、DMARCなどの送信ドメイン認証にも対応している。
(4) 「Cuenote(R) Survey」
プログラミングの知識がなくてもデザイン性の高いアンケートを簡単に作成できるクラウドサービスである。設問形式をマトリックス機能(縦と横、2つの軸を持つ表タイプの質問形式)をはじめとする複数タイプから選択できるほか、ドラッグアンドドロップによる設問順の変更が可能で、簡単な操作で質の高いアンケート・フォームを作成できる。同社のほかのサービスと組み合わせることで、メールにアンケートを添付して送信することもできる。2022年7月には、Web解析ツールであるGoogleアナリティクスの新しいプロパティであるGA4でのデータ取得及びクロスドメイン集計を利用できるよう機能拡張を行った。また、2023年5月にはGoogle LLCが提供するタグ管理システムで、Webサイトの効果測定などに欠かせないタグの管理を効率的に行うことができるGoogleタグマネージャー(GTM)への対応を開始するなど、顧客の利便性向上に努めている。
(5) 「Cuenote(R) 安否確認サービス」
自然災害などの発生時における社員の安否確認や災害情報の発信など、企業の事業継続計画(BCP)を支援するサービスを提供している。2022年4月には従来のメールによる安否確認に加えて、SMSを利用した安否確認への対応も開始したことで、顧客企業はメール・SMSの複数手段を利用したより確実な安否確認の実施が可能となった。また、2023年7月には災害訓練メールを定期的に自動配信する機能を追加しており、これにより顧客企業の業務負担軽減などを可能にしている。
(6) 「Cuenote(R) Auth」
SMSとIVR(Interactive Voice Response:コンピューターによる音声自動応答システム)を利用したセキュアなユーザー認証をAPI連携で簡単に実装できるサービスを提供している。同サービスの導入によって顧客は自社でシステムの開発を行うことなく、「確認コードの生成」「SMS・IVRによる確認コードの通知」「認証画面の表示及び認証処理」「認証結果の取得」など一連のプロセスを簡単に実行できるようになる。脆弱性診断をはじめとする高いセキュリティ体制や、開発が容易なAPIの採用といった特長もある。今後はSMS・IVRによる認証に加えて、メールなど対応可能なチャネルを順次拡充する方針だ。ECの普及によって顕在化してきた不正転売防止のニーズに対応したものであり、今後の成長が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)《EY》
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