NYの視点:米7月JOLT求人件数:2021年来で最低、総失業者に対する割合も一段と低下、労働市場減速の証拠に

2024年9月5日 07:39

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記事提供元:フィスコ

*07:39JST NYの視点:米7月JOLT求人件数:2021年来で最低、総失業者に対する割合も一段と低下、労働市場減速の証拠に
米労働省が発表した7月JOLT求人件数は767.3万件と予想810万件を下回り21年1月来で最低となった。6月分も791万件と、818.4万件から下方修正された。2カ月連続の800万件割れとなった。

総失業者数に対する求人件数の割合は1.07と、6月の1.16からさらに低下しており労働市場の需給が一段と均衡した証拠となった。この割合は労働市場がパンデミック前に比べ、一段と冷え込んだ証拠となった。

雇用者による労働市場への自信を示すとされる自主退職率は2.1%と2.0%から上昇。ただ、コロナ前の水準の2.2%は依然下回っている。雇用削減率は1.1%と、6月の1.0%から上昇した。

労働者が雇用を見つけることが困難になりつつあると報告していることは、賃金の伸びの抑制、賃金インフレの鈍化にもつながりFRBの利下げを正当化する。

連邦準備制度理事会(FRB)が8月26日までのデータをもとにクリーブランド連銀が作成した米地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表した。「ここ数週間の雇用は全般的に横ばい、若干拡大」、賃金の伸びは「緩やか」と、米国経済が安定している証拠が示された。

2024年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を持つ米アトランタ連銀のボスティック総裁はエッセイの中で、「労働市場が混乱するリスクがある中、政策当局者は利下げ開始をインフレが2%目標達成まで待つ余裕はない」と、警戒感を表明。同時に、インフレ改善を巡る確信は一段と強まつたが勝利宣言する準備にはまだ達していないと慎重姿勢も示している。「過去の例でも時期尚早の利下げは、インフレを再燃させ数カ月、数年定着させる危険につながる」と、慎重な姿勢を示した。

7月雇用統計では失業率の上昇や雇用者数の減少、賃金の伸び鈍化など、労働市場の減速が浮き彫りになったが8月雇用統計でもこの基調が証明された場合は、FRBが大幅利下げに踏み切るとの思惑も強まった。

■7月労働市場ダッシュボード
求人件数:4.6%(6月4.8%、2023年7月5.3%)
雇用削減率:1.1%(1.0%、1.1%)
自主的退職率:2.1%(2.0%、2.3%)
採用率:3.5%(3.3%、3.7%)

失業率:4.3%(4.1%)
不完全雇用率(U6):7.8%(7.4%)
非農業部門雇用者数:+11.4万人(+17.9万人)
平均時給:前月比+0.2%、前年比+3.6%(+0.3%、+3.9%)《CS》

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