2日の香港市場概況:ハンセン1.7%安で3日ぶり反落、不動産セクターに売り

2024年9月2日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 2日の香港市場概況:ハンセン1.7%安で3日ぶり反落、不動産セクターに売り
週明け2日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比297.10ポイント(1.65%)安の17691.97ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が119.53ポイント(1.89%)安の6211.61ポイントと3日ぶりに反落した。売買代金は1128億8880万香港ドルに縮小している(8月30日は1734億9930万香港ドル)。


中国の景気懸念が重しとなる流れ。中国国家統計局が8月31日に公表した8月の購買担当者景気指数(PMI)は、非製造業PMIが小幅ながら前月から上昇したものの、製造業PMIは改善見通しに反し前月から低下した。6カ月ぶりの低水準に落ち込んでいる。中国人民銀行(中央銀行)の資金吸収も逆風。人民銀が2日に実施したリバースレポを通じた資金供給は35億人民元にとどまり、満期分との差し引きでは4675億人民元の市中資金を吸収した。リバースレポを通じた資金は今週、週間で1兆4018億人民元が満期を迎える。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、不動産の下げが目立つ。香港不動産デベロッパー大手の新世界発展(17/HK)が13.0%安、不動産管理サービスの華潤万象生活(1209/HK)が7.1%安、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)が5.4%安で引けた。新世界発展については、通期決算の18〜23%減益見通しが嫌気されている。


インフラ建設セクターも安い。中でもゼネコンの中国交通建設(1800/HK)が7.6%、中国鉄建(1186/HK)が6.8%、中国中鉄(390/HK)が5.5%、中国建築国際集団(3311/HK)が3.8%ずつ下落した。


外食チェーンや酒造の飲食関連も急落。海倫司国際HD(9869/HK)が7.3%安、九毛九国際HD(9922/HK)が7.0%安、呷哺呷哺餐飲管理HD(520/HK)が5.9%安、百威亜太HD(1876/HK)が4.6%安、青島ビール(168/HK)が4.3%安で取引を終えた。


中国自動車セクターもさえない。広州汽車集団(2238/HK)が5.6%安、長城汽車(2333/HK)が5.0%安、蔚来集団(9866/HK)が4.9%安、理想汽車(2015/HK)が4.6%安と値を下げた。広州汽車集団に関しては、中間決算の49%減益が売り材料視されている。


一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.10%安の2811.04ポイントで取引を終了した。消費関連株が安い。ハイテク株、不動産株、インフラ関連株、医薬株、素材株なども売られた。半面、銀行株は高い。エネルギー株、公益株、保険株も買われた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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