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21日の香港市場概況:ハンセン0.7%安で続落、京東8.7%下落
*18:00JST 21日の香港市場概況:ハンセン0.7%安で続落、京東8.7%下落
21日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比120.07ポイント(0.69%)安の17391.01ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が53.80ポイント(0.87%)安の6141.78ポイントと続落した。売買代金は938億3050万香港ドルに拡大している(20日は745億3270万香港ドル)。
対外関係の悪化が警戒される流れ。欧州連合(EU)は20日、中国製の電気自動車(EV)について、追加関税の最終案を公表した。中国商務部の報道官は同日、「断固としてEUの方針に反対する」と声明。対抗措置を打ち出すことも示唆した。中国製EVを巡っては、米国も輸入関税を引き上げる予定となっており、カナダも追随する方針を表明している。中国人民銀行(中央銀行)の資金吸収も逆風。人民銀は21日、リバースレポを通じ2580億人民元を供給したが、満期日との差し引きで1112億人民元の資金を吸収した。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(JDドットコム:9618/HK)が8.7%安と急落。米小売大手のウォルマート(WMT/NYSE)が保有する京東株を売却し、最大で37億4000万米ドル(約5440億円)を調達する意向――と報じられたことがネガティブ材料だ。京東の2023年度決算報告書によると、ウォルマートは京東株9.4%を保有。創業者の劉強東氏に次ぐ2位株主となっている。そのほか、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が5.6%安。昼に公表した中間決算は2%増益にとどまった。同社株は後場に下げ幅を広げている。
セクター別では、自動車が安い。華晨中国汽車HD(1114/HK)が3.8%、東風汽車集団(489/HK)が3.3%、蔚来集団(9866/HK)と浙江零ホウ科技(9863/HK)がそろって1.9%ずつ下落した。
中国不動産セクターもさえない。融創中国HD(1918/HK)が5.0%安、世茂集団HD(813/HK)が4.8%安、旭輝(884/HK)が4.3%安、中国海外発展(688/HK)が3.0%安で引けた。在庫住宅買い上げのため、中央政府は地方政府に対し、専項債(公益事業向け資金調達を行う特別地方債)発行による資金調達を認めるもよう――と伝わったが、これを好感する買いは限定されている。不動産市況改善には時間がかかるとの見方が根強い状況だ。
半面、スマートフォン部材・組立の銘柄群は物色される。舜宇光学科技(2382/HK)が8.4%高、高偉電子(1415/HK)が3.3%高、瑞声科技HD(2018/HK)が2.9%高、富智康集団(2038/HK)が2.4%高で取引を終えた。光学部品OEMメーカーの舜宇については、中間決算の利益2.5倍が刺激材料となっている。スマホ市場の回復も意識された。
一方、本土市場も続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.35%安の2856.58ポイントで取引を終了した。金融株が下げを主導。不動産株、医薬株、公益株、消費関連株、インフラ関連株、半導体株なども売られた。半面、産金や非鉄の一角は高い。エネルギー株、通信株も買われた。
亜州リサーチ(株)《CS》
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