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ネクスグループ Research Memo(7):M&Aにより加わった2社の業績への寄与や全社損益の黒字化に期待(1)
*13:27JST ネクスグループ Research Memo(7):M&Aにより加わった2社の業績への寄与や全社損益の黒字化に期待(1)
■今後の見通し
1. 2024年11月期の業績見通し
ネクスグループ<6634>の2024年11月期の連結業績は、売上高が1,517百万円(前期比89.3%増)、営業利益が159百万円(前期は211百万円の損失)、経常利益が169百万円(同150百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が153百万円(同657百万円の損失)と期初計画を据え置いた。全社損益の早期黒字化を目指し、IoT関連事業の収益拡大と、新たな収益の柱となる新事業の拡大に注力する。2024年11月期はM&Aにより2社(ケーエスピー、スケブ)を取得した。2024年11月期の業績予想は確度の高い数値見通しであることや、M&Aにより取得した2社の売上高・営業利益への寄与も期待されることから、通期計画達成の蓋然性は高いと弊社では考えている。
2. セグメント別見通し
(1) メタバース・デジタルコンテンツ事業
デジタルコンテンツ分野については、電子書籍市場が引き続き堅調であり、電子書店での販売と並行して新しい販売ルートや販売チャネルの開拓にも注力する。主力コンテンツの「静かなるドン」では、公式You Tubeチャンネルでマンガを1コマずつに分解し、そこに音声や効果音をつけた「ボイスコミック」を2023年7月から開始した。サービス開始から1年足らずで登録者数が10万人を突破し、順調に成長している。直近では、同社が提供している電子書籍「天久鷹央の推理カルテ」のアニメ化が発表されており、相乗効果により旧刊の購読数が増加傾向にある。また、新たな販売チャネルとして電子図書館向けの販売も強化している。電子図書館の数は、地方創生臨時交付金の後押しもあり大きく増加しており、同社の販売状況もおおむね計画どおりである。今後も(株)実業之日本社の持つ作品の数々を活用して、児童書から女性向けまで電子図書館の幅広いニーズに対応していく。
メタバース分野については、メタバースに必要なVRワールドやVRコンテンツの受託開発案件の受注と、VRゲームコンテンツの開発、ユーザーがメタバースを楽しむためのモーショントラッキングデバイスの開発などに注力する。メタバース市場は黎明期であり、メタバースサービス単体の事業により黒字化している企業は少ない。同社では、メタバースサービスを提供するのではなく、メタバース事業に参入しようとしている企業に対して、VR空間・プラットフォームなどの受託開発を行っている。そのため、市場の黎明期においても、メタバース事業に新たに参入しようとする企業を対象に、一定の需要を見込めるものと弊社では考える。直近では、Apple Inc.が提供するゴーグル型デバイス「Apple Vision Pro」の日本国内販売が2024年6月から開始されており、利用環境の向上によりユーザーの増加や市場の活性化が期待できる。
同社は、同事業を通じてWeb3.0分野へ積極的な投資を行う方針で、新たなM&Aについても継続的に検討している。既存事業であるIoT関連事業とのシナジー創出を見込めることから、第2の収益軸としてさらなる成長が期待できると弊社では見ている。
(2) IoT関連事業
半導体の供給状況は改善しており、M2M分野における設備投資の抑制などの動向を引き続き注視しながら、製造委託先の継続的な管理・監督を行うとともに、信頼できる新規製造委託先の開拓を進め、市場のニーズに対応した製品群のさらなる拡充に取り組む。
今後の動向としては、「IoT×ブロックチェーン技術」「IoT×AI技術」など、「IoT×新技術」を活用した新たなサービスの提供を目指す。国内外の市場に向けて今後普及が見込まれるLPWAや第5世代移動通信システム「5G」、画像認識などのAI技術といった、同社が培ってきた自動車テレマティクスソリューションをはじめとする様々な分野に対するIoT技術をベースにする考えであり、これらの独自性や強みが競争力のある製品の創出につながるものと弊社では考えている。
エッジAI端末のNCXX AI BOX「AIX-01NX」は、国際的評価の高い(株)サイバーコアの「Re-ID(Re-Identification 再認識)」※技術を搭載しており、NVIDIA Corporationが提供するGPUによるリアルタイム画像認識技術と、マルチキャリア対応の高速モバイル通信技術を活用している。人流解析やOD調査、物体追跡における精度、リアルタイム性、通信費、個人情報問題などの課題を解決するソリューションに導入されている。加えて、流体解析ソリューションの分野において、AnyTech(株)との共同開発により「流体解析AIパッケージ」の販売を開始している。ハードウェアの販売のみに留まらず、ソフトウェア企業との業務提携によりソリューションを実現しており、協業先を増やしソリューションとしての企画を提供することで、新たな売上の確保が期待できると弊社では見ている。
※複数カメラによるビデオ映像からカメラ間を移動する車両や人物を検出後、それぞれにIDを付与し、カメラ間を移動する車両・人物の動線管理やトレースを可能とする技術。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)《SO》
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