テンポイノベーションは25年3月期1Qが2桁増収・2桁営業増益と順調、通期上振れ期待

2024年8月9日 09:22

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は8月8日の取引時間終了後に25年3月期第1四半期連結業績を発表した。2桁増収・2桁営業増益と順調だった。転貸借物件数が順調に積み上がり、費用抑制なども寄与した。そして通期予想を据え置いた。持株会社への移行(24年10月1日付、商号をイノベーションホールディングスに変更予定)や先行投資に係る費用の増加などを考慮して小幅減益予想としている。ただし上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化の影響で年初来安値を更新したが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■25年3月期1Qは2桁増収・2桁営業増益と順調、通期上振れ余地

 25年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比11.1%増の37億88百万円、営業利益が10.9%増の2億71百万円、経常利益が1.0%減の2億74百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2.7%減の1億84百万円だった。

 2桁増収・2桁営業増益と順調だった。転貸借物件数が順調に積み上がり、費用抑制なども寄与した。経常利益と親会社株主帰属四半期純利益については、営業外収益で受取補償金が23百万円減少したため小幅減益だった。なお持株会社体制への移行に伴って第1四半期より全社費用の配分方法を変更したため、セグメント利益については、従来方法に比べて店舗転貸借事業が9百万円増加、不動産売買事業が9百万円減少している。

 店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業を含む)は売上高が10.2%増の35億96百万円、営業利益が2億79百万円(前年同期は2億15百万円)だった。個人・小規模飲食事業者の旺盛な出店需要に対応して店舗物件の積極的な仕入を推進した。転貸借契約件数(新規契約件数+後継付け件数)は前年同期比13.4%減の103件、期末時点の転貸借物件数は前年同期末比215件増加して2487件となった。営業組織の構造改革途上のため成約件数が減少したものの、解約数が低位で推移しているため、転貸借物件数は順調に積み上がっている。

 不動産売買事業は売上高が29.8%増の1億92百万円、営業利益が8百万円の損失(前年同期は29百万円の利益)だった。1物件を売却、1物件を取得して期末時点の保有物件数は4件となった。人件費の増加や全社費用配分方法変更の影響で減益だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて売上高が24年3月期比18.1%増の168億40百万円、営業利益が6.9%減の9億07百万円、経常利益が6.9%減の9億42百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.3%減の6億30百万円としている。配当予想は24年3月期比1円増配の21円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は55.9%となる。

 売上面は引き続き転貸借物件数が順調に増加して大幅増収だが、持株会社への移行(24年10月1日付、商号をイノベーションホールディングスに変更予定)や先行投資に係る費用の増加などを考慮している。ただし営業利益進捗率が29.9%と順調であり、会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は売り一巡して反発の動き

 株価は地合い悪化の影響で年初来安値を更新したが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。8月8日の終値は865円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS37円58銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の21円で算出)は約2.4%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS197円73銭で算出)は約4.4倍、そして時価総額は約153億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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