坪田ラボ Research Memo(9):2025年3月期は複数の導出による契約一時金増加により増収増益見込む

2024年7月26日 14:09

印刷

記事提供元:フィスコ

*14:09JST 坪田ラボ Research Memo(9):2025年3月期は複数の導出による契約一時金増加により増収増益見込む
■業績動向

3. 2025年3月期の業績見通し
坪田ラボ<4890>の2025年3月期の業績は、売上高で前期比78.2%増の1,200百万円、営業利益で131百万円(前期は649百万円の損失)、経常利益で130百万円(同636百万円の損失)、当期純利益で100百万円(同641百万円の損失)を計画している。既存パイプラインの導出を複数件行うことで収益を改善し、2期ぶりの黒字転換を目指す。増収額よりも増益額が大きくなるのは、前期に計上した契約損失引当金328百万円がなくなるためだ。

既存パイプラインのうち、未導出のパイプラインや地域を見ると、TLG-001は中国、アジア、欧州のほか、米国についても導出先が解散準備中のため、空白地域となり新たな導出先を探索することになる。また、TLM-003は中国が空白地域となっているが、中国企業からの関心度は高いようで導出の可能性が十分にあると弊社では見ている。TLG-005については、アジア、欧州地域での導出活動を進める予定だ。また、TLM-007については特定臨床試験を開始しており、その結果が判明するのは2025年の前半と見られるため、良好な結果が得られたとしてもタイミング的には2026年3月期以降になると弊社では見ている。

2026年3月期以降も複数の導出契約を目標にしているが、経営上で重要な点はパイプラインの研究開発を着実に進め、論文化や特許取得などによってパイプラインの価値を高めながら、新規パイプラインを年間1~2件のペースで追加し、パイプラインを拡充していくことにあると同社では考えている。

中長期の成長イメージとしては、開発パイプラインの導出に伴う契約一時金やマイルストーンの獲得に加えて、上市後のロイヤリティ収入の積み上げによる飛躍的な成長を目指している。医療機器・医薬品として初の上市を目指しているTLG-001に関しては、順調に進めば2027年にも上市できる可能性がある。厚生労働省の調査によれば、2022年時点で学生の近視保有率は、小学生で37.9%、中学生で61.2%と上昇傾向が続いており、若年世代の近視進行は社会問題にもなっているだけに、VLメガネの普及による近視進行の抑制が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《SO》

関連記事