BeeX、1Qは売上高と営業利益がYoY+30%台の躍進 ストック型とフロー型の組み合わせで安定した収益を確保

2024年7月24日 17:07

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記事提供元:ログミーファイナンス

BeeX、1Qは売上高と営業利益がYoY+30%台の躍進 ストック型とフロー型の組み合わせで安定した収益を確保

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会社概要

広木太氏:株式会社BeeX代表取締役社長の広木太です。本日は、2025年2月期第1四半期の決算についてご説明します。

はじめに、事業の概要を簡単にご説明します。まずは会社概要です。弊社は2016年3月1日に創業しました。クラウド関連の導入・保守・管理事業およびクラウド上のソフトウェア開発・アプリケーション開発を行っています。

弊社の特徴は、クラウドを専門にしたシステムの構築・開発会社である点です。クラウド専門のシステムインテグレーションを行っていることから、クラウドインテグレーターとも呼ばれています。

BeeXのマルチクラウド対応力

クラウドにはさまざまな形態があり、提供している会社も複数あります。その中で、我々が何を取り扱い、提供しているかについて、ご説明します。

世界的に大きなシェアを持ち、高い成長率を持っているクラウドサービスの提供会社が3つあります。「Amazon Web Services、通称AWS」、Microsoftが提供している「Azure」、Googleが提供している「Google Cloud」です。これらがクラウドにおいて、日本でも世界中でも非常に高いシェアを持っています。

今はクラウドを使い分ける時代です。「AWS」だけでなく、「Azure」や「Google Cloud」を、システムの特性に応じて使い分けでいくことが最近の流れとなっています。どれか1つに特化すると、なかなかお客さまのニーズにお応えできないため、我々は複数のクラウドを要件ごとに使い分けて、構築や運用などを行っています。

その中でも、創業当初から非常に力を入れているのが「AWS」です。「AWS」にはサービスのパートナーランクがあります。我々は、その中でも最上位である「AWS プレミアティア サービスパートナー」に認定されていますが、日本では15社のみです。我々のこれまでの「AWS」導入の実績、高いスキル、ノウハウをAWSに認めていただきました。

加えて、我々は「SAP認定パートナー」にもなっています。SAPはドイツのERPパッケージベンダーであり、企業の会計、ロジスティクス、生産管理、人事管理など、いわゆる企業の基幹システムを提供しています。日本の大企業を中心に、基幹システムとして導入しているのがSAPです。

「SAP」を「AWS」「Azure」「Google Cloud」と組み合わせたシステム構築・運用などを行っていることが、我々の特徴となっています。企業の重要な基幹システムを中心に手がけていることと、SAPを導入している大企業を中心に強固な顧客基盤を持っていることが、大きな強みです。

事業内容

事業内容について、簡単にご説明します。我々が「AWS」「Azure」「Google Cloud」を利用し、提供している事業は大きく3つです。

1つ目は、クラウドインテグレーションです。システムを導入する際のコンサルティングおよびシステム構築、オンプレミスと呼ばれる従来型システムからの移行、クラウドに特化したアプリケーション開発などを行っています。

2つ目はクラウドライセンスリセールで、「AWS」「Azure」「Google Cloud」の販売です。お客さまの利用状況に応じて、電気代のように毎月費用をいただくビジネスモデルです。

3つ目は、マネージドサービスプロバイダー(運用・保守)です。クラウドインテグレーションで構築したシステムを24時間365日監視し、何か障害があった時には対応します。

クラウドは、日進月歩で新機能などが追加されていきます。お客さまも、ビジネスのニーズに応じて新しいものを取り入れていきますので、このマネージドサービスプロバイダーのサービスの中で行っています。

このように、我々は3つの事業を展開しています。それをさらに2つに大別すると、クラウドインテグレーションはフロー型ビジネス、クラウドライセンスリセールおよびマネージドサービスプロバイダーはストック型ビジネスになります。

クラウドインテグレーションは、お客さまからシステム構築の依頼をいただき、実際にシステムを構築し、対価をいただくかたちです。一方、クラウドライセンスリセールとマネージドサービスプロバイダーは、契約状況・利用状況に応じて、毎月費用(対価)をいただくかたちです。

我々は、このストック型ビジネスとフロー型ビジネスの2つを組み合わせることにより、安定した売上と収益を得ながら、さらなる成長を図っています。以上が、我々の強みであるビジネスモデルです。

KPIハイライト

第1四半期の決算についてご説明します。まずはKPIハイライトです。

全体売上高は前年同期比34.2パーセント増の22億5,100万円、全体営業利益は前年同期比36.9パーセント増の2億800万円です。その他のKPIハイライトはスライドのとおりです。

業績サマリ 前年同期比較

業績について、もう少し詳しく見ていきます。スライドは、2024年2月期第1四半期と比較したものです。

売上高は34.2パーセント増、売上総利益は31.7パーセント増、営業利益は36.9パーセント増、経常利益は36.8パーセント増、純利益は36.0パーセント増となっています。

売上・利益において、引き続き大きな成長を遂げていることがご理解いただけると思います。

サービス別売上高

先ほどお伝えした「クラウドインテグレーション(CI)」「マネージドサービスプロバイダー(MSP)」「クラウドライセンスリセール(ライセンス)」の売上高を可視化したのが、スライドのサービス別売上高のグラフです。それぞれ成長していることが見て取れると思います。

点線で囲んでいるところはストック要素(ストック型ビジネス)ですが、順調に売上が伸び、その上でフロー型ビジネスが伸びています。特に2025年2月期第1四半期は、フロー型ビジネスが過去の四半期と比べても大きく成長しています。

クラウドライセンスリセール売上の推移

内訳をご説明します。まず、クラウドライセンスリセール売上の推移です。スライドのグラフのとおり、2025年2月第1四半期も継続して売上が伸びています。

2024年2月期第4四半期は、クラウドを安く安定的に使っていただく、長期契約ディスカウントのプログラムにより、少し売上が下がりました。しかし2025年2月期第1四半期は、差再度売上が伸びています。

クラウドライセンスリセールビジネスアカウント数推移

クラウドライセンスリセールビジネスアカウント数の推移です。「ビジネスアカウント」というと、少しわかりづらいと思いますが、それぞれの契約数だとご理解ください。こちらも2024年2月期以降、継続して伸びていることが見て取れると思います。

マネージドサービスプロバイダー売上、ユーザー数の推移

マネージドサービスプロバイダー売上と、ユーザー数の推移です。こちらも売上が順調に伸び、新規のお客さまも増え、継続して成長していることが見て取れると思います。

クラウドインテグレーション受注件数・売上高の推移

クラウドインテグレーションの受注件数と売上高の推移です。2025年2月期の第1四半期は、SAPの大型案件や公共部門の大規模プロジェクトなどがあり、過去最大の売上となっています。受注数も順調です。

貸借対照表の推移 〜健全な財務基盤〜

貸借対照表の推移です。健全な財務基盤が維持できていることが、スライドから見て取れます。

以上が第1四半期の決算概要です。

2025年2月期業績予想 進捗状況

通期の業績予想についてご説明します。まずは2025年2月期の業績予想と進捗状況についてです。

業績予想は当初発表したとおりです。進捗率は、売上高が23.8パーセント、営業利益および経常利益が32.1パーセントと順調に進捗しています。

2025年2月期業績予想のポイント

2025年2月期の業績予想のポイントです。特に、我々が今期何に投資していくのかについてご説明します。

1つは、マーケティング戦略です。我々は大手と比べると、まだまだ知られていない会社だと思っています。クラウドライセンスリセールなどの今後の成長のためには、我々の会社やサービスについてより知っていただくことが非常に重要だと考えています。

具体的には、コロナ禍等で小規模での開催や中止となっていたリアルイベントに、積極的に投資を行っていきます。また、Web媒体やSNS、オンラインセミナーにも継続的に力を入れていきます。

このようなマーケティング施策を通して、当社の認知度アップを図り、さらなる新規契約の獲得を目指します。

もう1つは、人材採用・育成戦略です。我々のようなIT企業で重要なのは、優秀な人材の確保と教育です。昨今のIT業界は人手不足であり、採用面においても競争が非常に激化しています。我々はクラウド専業のインテグレーターとして、社員にとって成長できる環境と、働きやすい環境を提供することに力を入れています。そのようなことを知っていただく活動や、人材紹介会社との新規契約締結にも投資を行っていきます。

人材育成に関しても、特に若手の育成に力を入れていきたいと思っています。

マーケティング戦略および人材採用・育成戦略は、来期以降の成長において非常に重要なポイントとなりますので、引き続きしっかり投資を行っていきたいと考えています。

以上が業績予想です。

SAPシステムのクラウド化・S/4HANA化支援

最後に、3つの成長戦略についてお話しします。成長戦略の1つ目は、基幹システムのクラウド化/モダナイズ化です。

我々は、SAPシステムを中心とした基幹システムのクラウド化を強みとしています。今までオンプレミスで運用してきたシステムをクラウド化することにより、スケーラビリティ(Scalability)を向上させ、何かが起きた時の変化に対応できる基盤システムにします。

また、日本のお客さまに多く使われている「SAP ERP 6.0」の保守サポートが、標準サポートで2027年、延長サポートでも2030年で終了します。2027年、2030年というと少し先の話のように聞こえますが、SAPシステム導入には、短いお客さまで1年から1年半、長いお客さまでは3年から4年かかります。したがって、今すぐにでも導入を始める必要があります。

多数のお客さまにとって大きな課題となっていますが、大企業の多くがSAPを導入してい

るため、社会課題化しているともいえます。我々はERPシステムのクラウド化を推進しながら、「S/4HANA」という新しいバージョンにアップグレードし同時にクラウド化することで、この社会課題の解決に向けて注力していく考えです。

「『S/4HANA』にアップグレードしたら終わりなのか?」とよく聞かれますが、実は「S/4HANA」には細かいバージョンがあり、5年から7年くらいで保守が切れます。「S/4HANA」は2016年から日本では利用できるようになっていますが、その頃に導入したお客さまは、すでに保守が切れているという問題に直面しています。したがって「S/4HANA」自体も、新しいライフサイクルとしてさらにアップグレードを行っていかなければなりません。

我々は「S/4HANA化に向けたクラウド化」「S/4HANAへのアップグレード」「S/4HANA自体のアップグレード」の3つの施策に継続して注力していきます。こちらが、我々の成長の最も大きな部分です。

代表導入事例

最近の代表導入事例として、YKK社とEMデバイス社の2つをご紹介します。どちらも今後の成長のために、今までの基幹システムをクラウド化した事例です。

我々は短期間でクラウド化することを、非常に重要視しています。長い期間をかけると、お客さまの負担が増えますし、そもそも費用がかかります。ですので、短期集中で安心・安全に上げていき、投資効果を最大化することを目標に掲げています。

複雑なシステムでしたが、どちらも短期間で移行し、かつ、移行後に処理性能が上がり、コスト削減も実現しています。

データプラットフォーム構築/アプリケーション開発

成長戦略の2つ目は、デジタルトランスフォーメーション(DX)です。コロナ禍におけるDXは「働き方改革」として、行動制限によって出勤できないためリモートで仕事ができるようにしたり、ペーパーレスに移行したりと、日本が遅れていた部分のデジタル化に、集中的に投資されました。我々はこれを「守りのDX」と呼んでいます。

コロナ禍で多くのお客さまが「守りのDX」を推進し、最適化できたため、デジタル技術を使って新たなビジネスを開拓していく、本来のDXに投資が移ってきています。我々はこれを「攻めのDX」と呼んでおり、お客様が新しいデジタル技術を使い、新しいビジネスを作る支援に力を入れています。

具体的にご説明すると、先ほどお話しした「S/4HANA」などの基幹システムは、クラウドに上がっています。クラウド上の基幹システムは、さまざまデータが保存されている宝の山です。このデータ活用に力を入れています。またSAPシステムだけでは足りないデータ、例えば工場の現場にあるデータ、マーケティングデータなどを集約して分析し、そこからインサイトを得て、企業が新たなビジネスを創出していく仕組みづくりの支援を行っています。

これをデータ駆動型組織の実現と呼んでおり、この実現のためのデータ分析基盤構築に力を入れています。これまで基幹システムとクラウド化に取り組んできたことから、現在、非常に多くの引き合いをいただいており、大きく成長分野となっています。

そして、モダンアプリケーション開発という、クラウドを活用したアプリケーション開発も力を入れています。SAPシステムなどは2年から3年かかるとお話ししました。DXのアプリケーションの場合、それでは遅く、短期間にリリースしてお客さまからフィードバックをいただいて、改修していく必要があります。

我々はクラウドを専門とし、クラウドテクノロジーを全面的に使った開発を得意としていますので、このようなアプリケーション開発も新たな成長分野となっています。

また、DXにおいては内製化が重要だと言われています。お客さま自身で、データ分析やアプリケーション開発ができるようにする内製化は、お客さまの成長スピードを上げるために大切です。

これまでアプリケーション開発などを行ってこなかったお客さまに対して、我々が知見を提供し、伴走して取り組んでいく伴走型サービスも提供しており、現在、多くの引き合いをいただいています。

このように、DXを実現する基盤構築、アプリケーション開発、伴走型サービスを継続的に提供することによって、我々もお客さまとともに成長できると考えています。

安全かつ効率的な生成AI環境構築支援サービスを提供開始

DXにおいて取り上げなければならないキーワードが、生成AIです。ご承知のとおり、生成AIを企業で使う場合にはセキュリティの担保が重要です。我々はセキュリティが担保されたセキュアな環境で、社内のさまざまな文書などを上手く活用するサービスも提供しています。こちらも伴走型サービスとして提供を開始し、多くの関心を寄せていただいています。

マルチクラウド対応マネージドサービス

最後に成長戦略の3つ目、マルチクラウドリセール/MSPについてお話しします。先ほどからご説明しているとおり、我々の大きな強みは「ライセンスリセール(AWS/Azure/Google Cloud)」「マネージドサービス(運用・監視)」と呼ばれるストック型ビジネスです。こちらをいかに継続的に成長させていくかが、重要なポイントとなっています。

ライセンスリセールの拡大

ライセンスリセールについて、我々がもともと非常に得意としているのは、基幹システムのマイグレーションに伴うライセンスリセールです。基幹システムは大規模なシステムですので、移行の際にはそれに伴うライセンスリセールのビジネスを獲得できるのが我々の強みです。最近はDXの拡大に伴い、生成AIなどのサービスも拡大し、新しい売上が創出されています。

さらに、これから力を入れようとしているのが公共部門への販路拡大です。我々はもともと、SAPのようなエンタープライズ向けのシステム構築が非常に得意だったのですが、昨今は公共部門からも引き合いをいただき、徐々に実績が増えています。

公共部門の実績が増えてきたことで、公共部門の販売パートナーとして、AWSから認定をいただきました。新しい販路として伸ばせるよう、今後、注力していきたいと思います。

マネージドサービスの推進

マネージドサービスについて、我々は今まで、スライドに黄色で示した「運用・監視サポート」に力を入れてきました。企業の基幹システムが正しく稼働しているかどうかを24時間365日監視し、何かあった場合に対応するなど、クラウドのさまざまな支援を行ってきました。しかしDXとなると、いくつものサービスが連携しながら動くため、システムが非常に複雑化してきます。

このようなシステムに対応するためのサービスとして、「セキュリティサービス」があります。安心安全にクラウドを使っていただくためのセキュリティサービスの強化を行っています。特に今は、ゼロトラストネットワークと呼ばれるクラウド時代のためのセキュリティモデルの導入の引き合いを多くいただいています。

また、単純に監視するだけでなく、システム全体が今どのような状況にあるのか、性能がきちんと出ているのか、もう少し上の目線でシステムを観測する「オブザーバビリティサービス」の提供を行っています。このような新しい運用・保守サービスなども提供しています。

さらに、「伴走型サービス」をストック型(サブスク型)で提供するなどして、企業のクラウドレベルと運用レベルを継続的に上げていく支援も行っています。

お客さまのクラウドを推進していきながら、我々自身もストック型サービスの売上を成長させるため、さまざまな施策に取り組んでいます。

セキュリティソリューションの拡大

我々が特に力を入れているのはセキュリティです。クラウドがインターネット上にあります。最初にしっかりと作っても、その後システムの変更を行うと、新しいセキュリティホール(穴)ができてしまうことがあります。

また、オペレーションミスや、テスト的にセキュリティの設定を変えてから戻すつもりが、戻し忘れてしまったりするなど、人間のミスが、セキュリティのインシデントの理由として一番大きい部分になっています。これを人間が目で監視するのは不可能ですので、さまざまな診断ツールやAIなどを活用して自動的に発見し、場合によっては自動的に封じるサービスを提供しています。

また、先ほどお話ししたゼロトラストネットワークの第1ステップとして重要なポイントは、アイデンティティ管理です。従業員がどのような権限を持っているのか、連携するビジネスパートナーにはどのような情報まで提供できるのか、しっかりと管理することが非常に重要です。このようなアイデンティティ管理のためのサービスも提供しています。

セキュリティは、「やってやりすぎるもの」ではありません。人間が手動で行うだけでなく、AIなどを活用したサービスも継続して提供していく予定です。

以上、3つの成長戦略についてお話ししました。

Our Vision

我々はこのようなクラウドのテクノロジーを使って、企業の活動を活性化し、変革を支え、よりよい社会を作ることを目標に掲げています。我々が得意とするテクノロジーで、お客さまとともに、よりよい社会を実現していきたいと考えています。

投資家のみなさまにおかれましても、ぜひご期待いただくとともに、ご支援いただければと思います。ご説明は以上です。本日は、ありがとうございました。

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