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相場展望7月18日号 米国株: ナスダック・半導体株指数の急落は、「夏の調整入り」示唆か? 日本株: 半導体株が軒並み安・急激な円高が株式相場に大きなマイナス
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)7/15、NYダウ+210ドル高、40,211ドル
2)7/16、NYダウ+742ドル高、40,954ドル
3)7/17、NYダウ+243ドル高、41,198ドル
【前回は】相場展望7月15日号 米国株: 勢いのある米国株に売り、小型株に買いと「気迷い」症状 日本株: 7/11の大幅下落は、SQ算出日に絡んだ短期筋の売りが要因 急激な円高もマイナス
●2.米国株 : ナスダック・半導体株指数の急落は、「夏の調整入り」示唆か?
1)NYダウはトランプ氏優位でリスクオンも、ナスダック総合などが大幅急落
・7/17の主要株価指数の動向
NYダウ +0.59%高
ナスダック総合 ▲2.77%安
ナスダック100 ▲2.94%安
S&P500 ▲1.39%安
半導体株 ▲6.81%安
・このところ強さを示していた中小型株指数のラッセル2000も▲0.99%安した。
・7/17の急落をみると、「夏場は調整入り」する可能性がでてきた。
2)米国の対中国規制強化で半導体関連などハイテク株が、7/17大幅下落
・主要な半導体関連銘柄の7/17株価
ASML ▲12.74%安 :オランダ半導体製造装置大手メーカー
AMD ▲10.21%安
ラムリサーチ ▲10.07%安
クアルコム ▲ 8.61%安
エヌビディア ▲ 6.62%安
・下落の要因は、米政権が対中国半導体規制強化が伝えられたため。先端半導体技術を中国に提供し続けた場合、利用可能な最も厳しい貿易制限措置を検討と、米バイデン政権が同盟国に伝えたとのブルームバーグの報道が材料視されたもよう。
・また、トランプ前大統領が「台湾は防衛力を支払うべきだ」と述べたことも、半導体銘柄の下落に影響したようだ。
3)米国株が「夏場の調整入り」の観測
・ゴールドマン・サックスのルブナー氏は、米国株が調整しても「押し目買いはしない」と語ったとブルームバーグ通信が伝えた。
・7/17にNYダウが上昇する中、S&P500種など多数の株価指数などが大きく下落した。最近まで大幅上昇を遂げてきた米国株価指数だけに、7/17の大幅下落はダメージが大きい。特に半導体株価指数の▲6.62%安の要因は、バイデン政権の対中国半導体規制強化の検討トランプ氏の台湾問題の発言に株式相場が反応したが、その反落の大きさからして、急激な高値上昇に対する警戒感を映したものといえる。また、株式市場から資金が流出し始めたとの観測も出てきている。丁度、半導体株から出遅れ株に相場の波が移行する過程にあっただけに、「夏相場の調整入り」の可能性が高まったと言えそうだ。
●3.インフレ低下をさらに多くのデータで確認したい=NY連銀総裁(ブルームバーグ)
●4.米労働市場なお逼迫、ディスインフレは拡大=リッチモンド連銀総裁(ロイター)
●5.米利下げ「近づく」が、先行き不確実性から開始時期は不明=ウォラ-理事(ロイター)
●6.トランプ前大統領、「FRBは大統領選前に利下げすべきでない」(NHK)
1)インフレ率の低下傾向を受けて、市場ではFRBが今年8月の会合で利下げに踏み切るとの観測が広まっている。
2)トランプ氏は、多くの国の歴史をみても「インフレは最終的に国を滅ぼす」としたうえで、大統領選前の利下げをするべきではないと牽制した。
●7.トランプ氏の銃撃事件を受け、有権者の80%が米国は制御不可能な「カオス」に陥りつつあると考えていることが、最新の調査で分かった(ロイター)
1)登録有権者での支持率は、トランプ氏が43%、バイデン氏が41%と、トランプ氏のリードは小幅にとどまり、銃撃事件が有権者の考えに大きな変化をもたらしていないことも分かった。
●8.米ミシガン州、鳥インフルの牛への感染広がる、農家は対策に消極的(ロイター)
1)7/10、高病原性鳥インフルエンザの乳牛を介したヒトへの感染が報告された米ミシガン州は、感染拡大防止策の導入を積極的に進めている。しかし、一部の農家は負担が増すなどとして抵抗している。
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)7/15、上海総合+2高、2,974
2)7/16、上海総合+2高、2,976
3)7/17、上海総合▲13安、2,962
●2.中国4~6月期、物価変動を調整した実質国内総生産(GDP)は+4.7%(日経新聞)
1)1~3月期の+5.3%増から伸びは縮小した。生産や輸出が牽引したものの、消費が冴えなかった。
2)米欧などで中国生産の過剰生産が問題となっている電気自動車(EV)など新エネルギー車は+34.3%増加した。国内の住宅販売の不振などを反映したセメントは▲1割減少した。工場の建設などを示す1~6月の固定資産投資は+3.9%伸びたが、1~3月の+4.5%から縮小した。インフラ投資は+5.4%増えたが。民間投資は+0.1%増にとどまった。
3)不動産投資は低迷が続き、1~6月の開発投資は▲10.1%減少、新築住宅の販売面積も▲21.9%減となった。
4)百貨店・スーパー・インターネットなど小売売上高は、1~6月+3.7%増で、1~3月の+4.7%から縮まった。
5)輸出は前年同期を+5.9%上回った。
●3.中国GDPを受け、2024年成長率見通しを下方修正(ロイター)
従来 ⇒修正後
ゴールドマン・サックス 5.0% 4.9%:財政と住宅面でさらなる政策緩和を
JPモルガン 5.2% 4.7%:経済が依然「脆弱・不安定・不均等」
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)7/15、祝日「海の日」で休場
2)7/16、日経平均+84円高、41,275円
3)7/17、日経平均▲177円安、41,097円
●2.日本株 : 半導体株が軒並み安・急激な円高が株式相場に大きなマイナス要因
1)7/17、半導体関連の銘柄が軒並み大幅な売りに見舞われる
・半導体関連銘柄の7/17株価
東京エレクトロン ▲7.46%安
レーザーテック ▲4.97%安
ディスコ ▲4.49%安
アドバンテスト ▲2.56%安
・半導体関連の上記4銘柄で、日経平均のマイナス寄与度は▲348円安。7/17の日経平均の下落幅が▲177円であっただけに、半導体関連銘柄の下落の大きさが分かる。
・なお、半導体関連銘柄の下落の発端は、米バイデン政権の対中国半導体規制強化の「検討」報道にある。
2)円高が急伸、河野大臣の日銀利上げ要求がきっかけ、株式相場には大きなマイナス
・円相場の推移
7/02 161.67円
7/17 158.06円
7/18朝 155.56円
・7/02比で7/17は、+3円61銭の円高。7/18朝は7/02比で+6円11銭と円高が急速に進む。
・自動車・機械・商社など輸出関連株を中心に「円安」で株価上昇の恩恵を受けてきただけに、「急激な円高」は株式相場にとって大きなマイナスとなろう。
3)騰落レシオ(6日移動平均)が高値水準に入ったため、警戒したい
・騰落レシオの7/17の状況
25日移動平均 120.21
06日移動平均 167.26
・06日移動平均も、高値圏とみなされる130に接近した。
4)当面、日経平均は暴風圏に入る可能性がある
・要因は、
(1)高値圏にあった値がさ半導体株の崩れ。
(2)急激な円高。
(3)チャートからは、伸びきった日経平均の上昇疲れが見える。
(4)米国株、とりわけ米国半導体株の下落の影響。
●3.円が+1%上昇、河野大臣が利上げを要求し円相場は全面高し156円台半ば(ブルームバーグ)
1)河野デジタル相は7/17、急激な円安がもたらす国内物価への影響などの問題を強調した。「円の価値を高め、エネルギーや食料品のコストを引き下げるために、政策金利を引き上げる」ように日銀に求めた。
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・1893 五洋建設 業績堅調。
・2201 森永製菓 業績堅調。
・4385 メルカリ 業績好調。
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