タクマ Research Memo(4):主力である一般廃棄物処理プラントの国内の納入実績は国内第1位(3)

2024年6月28日 13:04

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記事提供元:フィスコ

*13:04JST タクマ Research Memo(4):主力である一般廃棄物処理プラントの国内の納入実績は国内第1位(3)
■タクマ<6013>の会社概要

c) エネルギープラント
木質チップ、バーク※1などの木質燃料やPKS※2、バガスなど様々なバイオマスから熱や電力を生み出す「バイオマス発電プラント」、使用済みプラスチック等に由来するRPF※3の燃料活用による収益の向上だけでなく、CO2削減やESG投資、SDGsといった企業価値の向上や地球環境の改善にも貢献できる「RPF発電プラント」等をオーダーメイドで設計・建設し、メンテナンスを通じて長期安定稼働に貢献している。

※1 木の樹皮のこと。
※2 Palm Kernel Shellの略。パーム油(アブラヤシの実から搾り取られた油)を絞りとった後の殻のこと。
※3 Refuse Paper and Plastic Fuelの略。マテリアルリサイクルが困難な古紙及びプラスチック類を原料とした固形燃料のこと。


2012年のFIT制度※開始以降、バイオマス発電プラントの需要が急速に拡大しており、古くからバイオマスボイラーを手がける同社は、FIT初号機を納入した2014年以降、FIT制度によらないものも含め50件を超えるバイオマス発電・熱利用プラントを納入している。一方で、FIT制度の見直しにより、今後は地域活用電源、地域分散エネルギーとして、中小型のバイオマス発電・熱利用プラントに需要がシフトしていく見込みである。産業用ボイラーを設置している各種工場においても、石炭や重油等の化石燃料を使用する産業用ボイラーの多くが更新時期を迎えており、脱炭素化・低炭素化に向けて、使用する燃料をバイオマスやRPFなどの非化石燃料に転換するニーズが増えてくるものと見込んでいる。

※再生可能エネルギーの固定価格買取制度(Feed-in Tariff)のこと。再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度。


d) 水処理プラント
最大ろ過速度1,000m/日の高速ろ過にも適用可能な砂ろ過装置「ユニフロサンドフィルタ」、低動力撹拌機「バイオブレードミックス」等を利用した、確かな性能と省エネルギー効果の高い装置を提供している。汚泥処理では、「階段炉下水汚泥焼却発電システム」により、下水汚泥のエネルギー化を実現し温室効果ガス削減に貢献している。

同システムは、従来の焼却炉と比べ補助燃料が不要であり、下水汚泥の焼却処理で課題となっている温室効果ガスN2O(一酸化二窒素)の発生が少なく環境性能面で優れ、そのうえ発電が可能で電力使用量が少なく、省エネ性が高いシステムである。同システムではこれまで4件のプラントを受注しており、継続的な受注の獲得により下水処理における温室効果ガスの削減に貢献していく。同システムは、発電による創エネルギー、低消費電力、温室効果ガス削減効果などが認められ、2023年3月期に「令和4年度新エネ大賞 資源エネルギー庁長官賞」「日本エネルギー学会2022年度表彰 学会賞(技術部門)」を受賞している。多くの実績を有する砂ろ過装置は、ろ過速度を2〜3倍にした高速型であり、コンパクトで省スペースという特長を有しているため、更新時期を迎える既存のろ過装置に対し、省スペース型の特長を生かした更新提案により受注の拡大を図る。

4. ビジネスモデル
同社の主力事業である環境・エネルギー(国内)事業は、一般廃棄物処理プラントにおけるEPC(2~5年)からアフターサービス(約20~30年)の一連の業務を長期にわたって継続して受注する安定したビジネスモデルにより展開している。一般廃棄物処理プラント分野での競合他社は、日立造船<7004>、JFEエンジニアリング(株)、日鉄エンジニアリング(株)、三菱重工環境・化学エンジニアリング(株)などが挙げられる。

同社は、1960年代から時代とともに変化してきたごみの性質や、排ガスなどの環境規制、エネルギー回収率の向上等、顧客からの様々な要望に対応してきた実績やノウハウから培った提案力が強みである。一般廃棄物処理プラントは、民間ノウハウ活用の観点から施設の建設と運営(O&M)を一括で発注するDBO方式が増加すると同時に、入札方式についても、価格以外に技術力、総合提案などを含む総合評価一般競争及びプロポーザル方式が増加しており、同社にとっては追い風である。同社が納入した一般廃棄物処理プラント120施設以上のうち、2024年7月現在、DBOが14施設、長期O&M(契約期間10年以上)が6施設の合計20施設を長期契約で運営している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)《SI》

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