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相場展望6月27日号 米国株: ハイテク株⇒エヌビディア⇒アマゾンと主役が短期間化に備えを 日本株: 日経平均は急騰⇒反落の可能性が濃い
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)6/24、NYダウ+260ドル高、39,411ドル
2)6/25、NYダウ▲299ドル安、39,112ドル
3)6/26、NYダウ+15ドル高、39,127ドル
【こちらも】相場展望6月24日号 米国株: エヌビディア株価反落は、AI相場の過熱感によるものか? 日本株: ボックス相場から抜け出しが近いと予想
●2.米国株:ハイテク株⇒エヌビディア⇒アマゾン⇒出遅れ株と短期間化に注意
1)出遅れ銘柄への買いが支えとなってNYダウは続伸、半導体・ハイテクは下落
・米国株を牽引していたハイテク株⇒エヌビディア⇒アマゾンと、主役の期間が短縮化している。
・そして、現在は出遅れ銘柄である景気敏感株にも買いが広がってきた。
・そこから、株式相場に「気迷い」がうかがわれるため、大きな下落に備えたい。
2)仮想通貨のビットコインが急落
・暗号資産(仮想通貨)のビットコインが6/24に急落した。3月高値から約19%下落し、6万ドル近辺に下落した。
・ミーム株の急伸から反落したように、マネー遊びが沈静化の兆し。株式相場の過熱感も冷める方向となりそう。
3)エヌビディアは続落
・6/20高値から約16%下落し、時価総額で▲5,500億ドル(約88兆円)を失う。
・ファン最高経営責任者(CEO)の自社株売りの開示を受けて、下げが加速した。
・もっとも、エヌビディア株価は6/25、+6.7%高と反発した。
4)6/24は、人工知能(AI)株に過熱感で警戒が高まり、出遅れ銘柄に買いが向かう
・主要株価指数の推移
6/24
NYダウ +0.67%高
S&P500 +0.31%高
ナスダック総合 ▲1.09%安
半導体株 ▲3.02%安
5)6/25は、ここ3日間で売られた銘柄に、自律反発狙いの買いが入った
・主要株価指数の推移
6/25
NYダウ ▲0.76%安
S&P500 +0.39%高
ナスダック総合 +1.26%高
半導体株 +1.79%高
6)6/26は、金利高も、アマゾンの時価総額2兆ドル超えが牽引しナスダックは続伸
・主要株価指数の推移
6/26
NYダウ +0.04%高
S&P500 +0.16%高
ナスダック総合 +0.49%高
半導体株 ▲0.28%安
・アマゾンの株価上昇となった材料は、好業績見通しを背景にアナリストによる目標株価の引上げにある。
●3.FRB、11月米大統領選挙前の利下げ公算小=カーライル共同創業者(ロイター)
1)FRBは概して政治に関与することは望んでいない。利下げは政治的混乱に過度に引き起こすため、FRBが選挙前に利下げに動く公算は小さい。
2)大統領選前に利下げを開始すれば、返り咲きを目指す共和党のトランプ前大統領から「激しい批判」を受けることをFRBが認識している可能性が高い。
3)米経済は好調で、今年は+2.5%拡大する可能性があるという見通しを示した。
●4.FRBは労働市場にも配慮が必要だが、予防的利下げは不要=SF連銀総裁(ロイター)
●5.インフレの一段の低下を見込んでおり、利下げへの扉が開く=シカゴ連銀総裁(ロイター)
●6.EU、アップルがデジタル市場法に違反と予備的な見解を発表(NHK)
1)今年3月から本格的運用が始まった「デジタル市場法」は、違反に対して、最大で年間売上高の10%という巨額の制裁金を科すことができる。
2)EUが、制裁金につながる可能性のある予備的な見解を示したのは初めて。
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)6/24、上海総合▲35安、2,963
2)6/25、上海総合▲13安、2,950
3)6/26、上海総合+22高、22,972
●2.中国の国有地使用権売却収入、1~5月は前年比▲14%減と落ち込み加速(ロイター)
1)中国政府は経済全体への影響を回避するため、価格下落の抑制や住宅在庫の削減に向けた措置を打ち出したが、アナリストは断片的な政策では意味のある回復につながらない可能性があると指摘している。
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)6/24、日経平均+208円高、38,804円
2)6/25、日経平均+368円高、39,173円
3)6/26、日経平均+493円高、39,667円
●2.日本株 : 日経平均は急騰⇒反落の可能性が濃い
1)円相場は6/26に米国で160円70銭と円安へ、再び為替介入を警戒
・米長期金利が上昇するなか、日米金利差が拡大し、円売り・ドル買いが進行。一時は160円90銭と、1986年12月以来およそ37年半ぶりの円安水準を付けた。
・円安の進行は、自動車や商社など輸出関連株にとって、追い風である。
・ただ、政府・日銀による為替市場への介入は、一時的に円高に向かう。しかし、当局による為替介入効果は限定的ものであり、今後の日銀の金利上昇幅の決定と日米金利差の動向に左右される。
2)6/27以降の株式相場は停滞しやすいと予想
・株主総会前から、自社株買いが入りにくい展開を予想。
・四半期末で国内投資家からのリバランス(資産配分の調整)目的の売りを予想。
3)日本10年金利は1%台に乗り、6/17終値は1.038%
・日本長期金利の推移 1/4 4/1 5/1 6/3 6/19 6/26
10年物金利 0.617% 0.731 0.889 1.049 0.933 1.038
・日本長期金利は上昇の途上にある。
4)騰落レシオ(6日)は6/26に165.63と高水準で、高値警戒を示す
5)一部買い優勢のなか、売りが引っ込み日経平均は上昇
・6/26は日経平均が+493円と大幅上昇のなか、思った以上に値下がり銘柄数が590もあった。しかも、空売り比率が6/25に36.7、6/26に38.6と売りが薄いなかの日経平均で上昇である。日経平均は3日連続で急伸したが、けっして全面高したわけではない点を覚えて置きたい。
6)信用買い残高が膨張しており、解消売りが気懸りな水準にある
・信用買い残高の推移
信用買い残高 売り残高 差引買い残高 倍率 評価損率
1/12 3兆4,542億円 8,737億円 2兆5,805億円 3.95倍 ▲7.86%
6/21 4兆9,118億円 7,618億円 4兆1,500億円 6.45倍 ▲6.07%
差引 +1兆4,576億円 ▲1,119億円 +1兆5,695億円
・信用買い残高は、6/21時点で4兆9,118億円と、1/12比で+1兆4,576億円増加。一方、売り残高は減少しており、差引信用の買い残高は年初比で+1兆5,695億円の増加となっている。
・また、倍率(買い残高÷売り残高)は3.95倍⇒6.45倍と、信用買い残高の増加が目立っている。この6.45倍は、過去と比べると異常に高い。したがって、信用買い残高の解消売りの到来が気になるところである。
7)日経平均は急伸⇒反落の可能性
・円安は株高要因になる。株価指数などは、株安への転換を示唆している。
・最近の日経平均は急騰しただけに、利益確定売りが優勢となりやすい。
・米国株も、エヌビディアの反落・アマゾンの上昇など迷い症状にあり、日本株へ波及する可能性がある。
●3.金融庁、三菱UFJ銀行など3社に業務改善命令、顧客情報を無断共有(NHK)
●4.三井物産、アラブ首長国連邦(UAE)でアンモニアのプロジェクトに参加(NHK)
1)アンモニアは、燃やしても二酸化炭素が出ない次世代エネルギーとして期待される。生産開始は2027年、日本にも輸出する計画。
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・2413 エムスリー 業績堅調
・4301 アミューズ 業績堅調
・6196 ストライク 業績好調
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