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加藤製作所 Research Memo(7):2024年3月期は前回予想を上回る大幅増益で収益回復基調
*16:07JST 加藤製作所 Research Memo(7):2024年3月期は前回予想を上回る大幅増益で収益回復基調
■業績動向
1. 2024年3月期連結業績の概要
加藤製作所<6390>の2024年3月期の連結業績は、売上高が前期比0.1%減の57,498百万円、営業利益が同31.4%増の1,654百万円、経常利益が同38.1%増の2,575百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同76.3%増の4,235百万円だった。収益性重視戦略が奏功して前回予想(2024年2月13日付修正値、売上高56,000百万円、営業利益1,200百万円、経常利益1,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,200百万円)を上回る大幅増益で着地し、収益回復基調が鮮明となった。売上面は、一部の建設用クレーンの主要部品供給制約が継続したことに加え、中国における厳しい販売環境の影響もあり、全体として横ばいにとどまったが、営業利益は収益性重視戦略による売価・原価・製品構成改善効果、アフター部品の拡販効果、為替の円安効果などにより、販管費の増加を吸収して大幅増益だった。売上総利益は同15.6%増加し、売上総利益率は同2.5ポイント上昇して18.3%となった。販管費は人件費の増加などにより同13.1%増加し、販管費比率は同1.8ポイント上昇して15.4%となった。この結果、営業利益率は同0.7ポイント上昇して2.9%となった。
営業利益の前期比396百万円増の増減分析は、主要部品供給制約の影響や中国の需要低調などによる販売台数の減少で1,917百万円減、売価・原価・製品構成・その他の変動で2,703百万円増、アフター部品の販売強化で156百万円増、為替の円安効果で477百万円増、販管費の増加(国内外における営業促進費用の増加、給与・賞与等の前期削減からの回復など)で606百万円減、貸倒引当金繰入額で418百万円減だった。なお営業外収益では受取配当金が190百万円減となったが、為替差益が271百万円増、製品保証引当金戻入額が150百万円増、受取賃貸料が148百万円増となった。特別利益ではKATO WORKS (THAILAND)の解散・清算に伴い固定資産売却益1,417百万円を計上した。特別損失では加藤(中国)工程机械の生産一時停止に伴う減損損失764百万円、及び事業構造改善費用121百万円を計上した。また繰延税金資産の回収可能性を見直して法人税等調整額を1,386百万円減(利益)計上した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)《AS》
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