12日の香港市場概況:ハンセン1.3%安で3日続落、自動車セクターに売り

2024年6月12日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 12日の香港市場概況:ハンセン1.3%安で3日続落、自動車セクターに売り
12日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比238.50ポイント(1.31%)安の17937.84ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が92.70ポイント(1.44%)安の6359.36ポイントと3日続落した。ハンセン指数は4月30日以来、約1カ月半ぶりの安値水準に落ち込んでいる。売買代金は1151億1810万香港ドルに縮小した(11日は1398億640万香港ドル)。


投資家の慎重スタンスが強まる流れ。中国と西側諸国の対立が意識されている。欧州メディアによると、欧州連合(EU)は7月にも中国製EV(電気自動車)に対する追徴課税する見通し。それより先、トルコ政府は8日、中国製の輸入自動車に追徴課税すると発表している。そのほか、13日閉幕する主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)では、中国の過剰生産に懸念を表明する方向だ。


米国の金利や物価動向も気がかり。米国では12日(日本時間12日夜)に、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果、同日(日本時間13日未明)に5月の米消費者物価指数(CPI)が発表される予定だ。FOMCでは金利据え置きが決定されるとの見方がコンセンサス。メンバーによる金利見通しや、パウエル米連邦準備理事会(FRB)の記者会見が注目されている。


一方、寄り付き直後に公表された5月の中国物価統計は、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比プラス0.3%(予想はプラス0.4%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス1.4%(同マイナス1.5%)という結果だった。相場に対する影響は限定されている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、中国スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)が7.3%安、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス:241/HK)が6.6%安、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が4.8%安と下げが目立った。


セクター別では、自動車が安い。上記した吉利のほか、蔚来集団(9866/HK)が8.5%、小鵬汽車(9868/HK)が5.3%、理想汽車(2015/HK)が3.8%、比亜迪(BYD:1211/HK)が3.7%ずつ下落した。


半導体セクターもさえない。中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が4.2%安、晶門半導体(2878/HK)が4.1%安、ASMPT(522/HK)が2.0%安、華虹半導体(1347/HK)が1.3%安で取引を終えた。


半面、スマートフォン部材・組立の銘柄群は高い。瑞声科技HD(2018/HK)が5.9%、丘タイ科技(1478/HK)が4.0%、高偉電子(1415/HK)が2.5%、比亜迪電子(BYD電子:285/HK)が3.9%ずつ上昇した。AIスマホ市場の拡大が期待されている。アップルは次期基本ソフト(OS)に新しい生成人工知能(AI)機能を組み込むと発表し、アナリストは将来性を評価している。アップル株は昨夜の米株市場で7.3%上昇し、上場来高値を更新した。


一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.31%高の3037.47ポイントで取引を終了した。石油・石炭株が高い。発電株、素材株、消費関連株、医薬株なども買われた。半面、銀行株は安い。保険株、海運株、ハイテク株の一角も売られた

亜州リサーチ(株)《CS》

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