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Jトラスト Research Memo(3):2024年12月期第1四半期は、営業収益は過去最高を更新(2)
*13:33JST Jトラスト Research Memo(3):2024年12月期第1四半期は、営業収益は過去最高を更新(2)
■Jトラスト<8508>の業績動向
(3) 東南アジア金融事業
2024年12月期第1四半期の営業収益は11,227百万円(前年同期比36.2%増)、営業利益は1,026百万円(同32.3%増)となった。インドネシアでは、銀行業が好調でサービサーの業績も回復している。また、カンボジアの銀行も、業績は順調である。
a) Jトラスト銀行インドネシア
Jトラスト銀行インドネシアについて、法人大企業や国営企業を中心とする貸出残高は2024年3月末には2,506億円と順調に増加した。不良債権化抑制と回収による不良債権金額の圧縮に加え、貸出残高の増加もあり、不良債権比率はインドネシア銀行業界平均の2.4%(2024年2月末)を下回る0.97%に低下し、貸倒引当金を控除したネットでは0.67%となった。2020年1月以降の新体制で積み上げた貸出残高は全体の94.28%まで拡大したが、その不良債権比率は0.13%に留まり、不良債権はほぼ発生していない。リスクマネジメントを強化した成果が表れたものと言える。住宅ローンや重機ローンも、残高は順調に増加している。
また、預金残高も3,219億円(2024年3月末)に増加した。一方、政策金利引き上げの影響を受けて預金金利は5.83%とやや上昇したが、インドネシアの政策金利6.00%(2024年4月から6.25%)より低位で推移していることもJトラスト銀行インドネシアの好業績に貢献している。
b) Jトラストロイヤル銀行
カンボジアのJトラストロイヤル銀行では、貸出残高は引き続き戦略的にコントロールし、2024年3月末には1,455億円とおおむね横ばいに留まった。また、担保物件の競売や法的手続き等による回収とモニタリングを強化したことにより不良債権比率は5.56%に改善し、貸倒引当金を控除したネットでは2.30%である。一方、預金残高は1,691億円に増加し、預金金利は3.95%である。預金利息費用の圧縮を図るため、普通預金の獲得を強化している。
(4) 不動産事業
不動産事業については、主にJグランド、(株)グローベルス及び(株)ライブレントが国内で、Prospect Asset Management, Inc.が米国ハワイ州で、それぞれ不動産事業を行っている。2024年12月期第1四半期の営業収益は4,592百万円(前年同期比36.0%増)で、グローベルス及びライブレントの子会社化等により増収となった。一方、営業損失は43百万円(前年同期は10,056百万円の利益)となった。ミライノベートの吸収合併により生じた負ののれん発生益10,113百万円の剥落が大幅減益の主因であるが、その影響を除けば営業損失は同水準となった。
(5) 投資事業
投資事業については、主にJTRUST ASIA PTE.LTD.が投資事業及び投資先の経営支援を行っている。2024年12月期第1四半期の営業収益は3百万円(前年同期比95.9%減)となり、訴訟費用の増加により916百万円の営業損失(前年同期は204百万円の損失)を計上した。2023年4月には、シンガポール高等法院において被告のGroup Lease PCLらに対して約124百万米ドル(約18,173 百万円、1米ドル=146円換算)、これに対する2021年8月からの利息の支払い等を命じる判決が下り、2024年1月に判決が確定した。同社では裁判で争った金銭債権に対して既に十分な貸倒引当金を設定しており、将来の回収金は利益計上されることから、今後も回収に尽力することで同社グループの業績に貢献する計画である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)《SI》
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