関連記事
11日の中国本土市場概況:上海総合0.8%安で反落、ハイテク株は逆行高
*16:45JST 11日の中国本土市場概況:上海総合0.8%安で反落、ハイテク株は逆行高
休場明け11日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前営業日比23.23ポイント(0.76%)安の3028.05ポイントと反落した。4月23日以来、約1カ月半ぶりの安値水準に落ち込んでいる。
人民元安の進行が警戒される流れ。米利下げ観測が後退する中、先週末の米10年債利回りは上昇し、対米ドルの人民元相場も下落基調が続いている。中国人民銀行(中央銀行)は11日朝方、人民元レートの対米ドル基準値を元安方向に設定した。指標発表も気がかり。中国ではあす12日、5月の物価統計が公表される予定だ。先週7日に発表された同月の貿易統計では米ドル建て輸入が大幅鈍化し、内需の低迷が指摘されていただけに、物価指標でデフレ脱却の兆しがみられるが焦点となる。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、消費関連の下げが目立つ。酒造の貴州茅台酒(600519/SH)が3.1%安、乳製品の北京三元食品(600429/SH)が2.2%安、免税店の中国旅遊集団中免(601888/SH)と宝飾品の老鳳祥(600612/SH)がそろって2.1%安、自動車の広州汽車集団(601238/SH)が2.0%安で引けた。広州汽車については、5月の販売実績が3割減となり、5カ月連独でマイナス成長だったことも嫌気されている。
海運株も急落。中遠海運HD(601919/SH)がストップ(10.0%)安し、中遠海運特殊運輸 (600428/SH)が7.2%安、中遠海運能源運輸(600026/SH)が6.9%安、招商局能源運輸(601872/SH)が6.7%安と値を下げた。海上運賃の不透明感がネガティブ。中東地域の地政学リスクがやや薄らぐ中、上海上場の欧州向けコンテナ海上運賃先物は11日、一部の限月でストップ安している。イスラエルとイスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザで戦闘を激化させていることに関し、国連安全保障理事会(安保理)は10日、バイデン米大統領が公表した停戦案を支持する決議を採択した。
石油や非鉄、産金など資源株もさえない。中国石油天然気(601857/SH)が1.7%、中国石油化工(600028/SH)がそろって1.7%、中国アルミ(601600/SH)が2.9%、江西銅業(600362/SH)が1.6%、山東黄金(600547/SH)が4.0%、紫金鉱業集団(601899/SH)が3.2%ずつ下落した。商品市況安が逆風となっている。銀行・保険株、インフラ関連株、不動産株、公益株なども売られた。
半面、ハイテク株は物色される。IC設計の上海貝嶺(600171/SH)がストップ(10.0%)高、パワー半導体の杭州士蘭微電子(600460/SH)が5.8%高、フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)が4.9%高、LED部材トップメーカーの三安光電(600703/SH)が3.8%高、半導体の封止・検査で中国首位の江蘇長電科技(600584/SH)が3.2%高で取引を終えた。医薬株、証券株も買われている。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.21ポイント(0.51%)安の233.40ポイント、深センB株指数が8.01ポイント(0.72%)安の1108.45ポイントで終了した。
亜州リサーチ(株)《CS》
スポンサードリンク