ネオマーケ Research Memo(3):減益決算ながら、通期計画に沿った順調な内容

2024年6月11日 13:13

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記事提供元:フィスコ

*13:13JST ネオマーケ Research Memo(3):減益決算ながら、通期計画に沿った順調な内容
■ネオマーケティング<4196>の業績動向

1. 2024年9月期第2四半期の業績概要
2024年9月期第2四半期累計期間における我が国の経済は、訪日インバウンド需要の増加や雇用・所得環境が改善するなかで景気に緩やかな持ち直しの動きが見られた一方で、世界的な金融引き締め、原材料価格の高騰、円安の進行や消費者物価の上昇等により国内外における経済的な見通しは不透明な状況が続いている。日本企業は、DX推進、イノベーションの創発、生産性の向上、人口減少のなかでの顧客創造等のテーマに直面し、急速に変化する市場環境のなかでマーケティングの在り方そのものの見直しを迫られている。そうした課題背景の下、中長期的に同社グループが提供するマーケティング支援事業の需要が喚起されていくものと予想される。

このような状況のなか、同社の2024年9月期第2四半期累計の連結業績は、売上高1,208百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益138百万円(同36.7%減)、経常利益138百万円(同37.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益86百万円(同37.9%減)となった。大幅な減益となったが、当期は積極的な投資時期と位置付けており、通期予想に対してはおおむね順調に進捗している。同社では連結子会社であるセールスサポートの株式譲渡に伴い特別利益の計上を見込むことから、通期業績予想を上方修正した。通期修正予想に対する進捗率は、売上高48.3%、営業利益69.4%、経常利益69.4%と、利益はおおむね計画どおりの決算であった。親会社株主に帰属する四半期純利益は、第3四半期にセールスサポートの株式売却益として特別利益を計上予定であることから、進捗率は31.1%に留まっている。

サービス別売上高では、カスタマーサクセスの大型案件の契約満了等の影響により全社売上高は前年同期を下回ったが、インサイトドリブンは2ケタ成長と好調に推移している。商談数やデジタルマーケティング・PRなどのコミュニケーション施策案件の相談数が増加していることから、下期に向けてさらに営業活動に注力する方針だ。具体的には、インサイトドリブンの売上高は286百万円(前年同期比12.4%増)と大幅増収となった。オンラインリサーチでは解決できない難易度の高い顧客課題に対して積極的に提案を行うことで、単価がアップした。カスタマードリブンの売上高は507百万円(同2.9%増)となった。リサーチャー増員により提案力が強化され受注単価が向上し、新サービスのリリースにより案件引き合いが増加した。デジタルマーケティング・PRの売上高は211百万円(同2.5%増)となった。体制構築のための採用活動や、デジタルマーケティングやPRに関する教育に重点を置き、積極的な販売強化は下期以降を想定している。一方、カスタマーサクセス・その他の売上高は202百万円(同21.9%減)に留まった。2023年9月期で契約が満了した大型案件の影響により減収となった。

2024年9月期第2四半期の取り組み事例としては、顧客数拡大及び顧客単価増大施策として品質向上及びサービスメニューの拡充に取り組んだ。具体的には、アンケート回答時の生体データ、今回は視線データの取り込みにより、回答の精度を上げる取り組みを開始した。視線データから回答態度を測定し、回答内容との関係性を研究することで、品質の高い調査サービスの提供を目指すものだ。また、インクルーシブマーケティングの事業を開始した。ジェンダー、年齢、障がいの有無、国籍など、多様性に対する理解や社会課題の解決を目的として、企業がインクルーシブマーケティングを実行する際に支援し、コンサルティングをするサービスだ。同社では、こうした取り組みを通じてサービス品質を向上させ、リピート率の向上、受注率の向上、顧客単価の上昇、顧客数の拡大につなげることで、業績向上を目指す考えである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)《SI》

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