ニーズウェル Research Memo(11):配当性向の目安を35%に引き上げ、前期比2.25円増配の9円配当を予定

2024年6月5日 15:51

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記事提供元:フィスコ

*15:51JST ニーズウェル Research Memo(11):配当性向の目安を35%に引き上げ、前期比2.25円増配の9円配当を予定
■株主還元策

ニーズウェル<3992>は利益還元を経営の重要な課題の1つと位置付けており、将来の事業展開と経営体質の強化のため、必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続することを基本方針としている。2024年3月、同社は、配当予想の修正(増配)を行い、2024年4月には、株主への利益還元を強化する一環として、配当性向の目安をこれまでの30%から35%に引き上げることを決定した。この措置は、同社の財務健全性と成長への自信を反映しており、株主価値の向上を目指している。

また、同社は、従業員の福利厚生及び満足度向上にも力を入れており、譲渡制限付株式報酬を521名の従業員に無償で割り当てた。加えて、2024年4月には平均3.6%、最大で25%の昇給率で定期昇給を実施し、さらに2024年度の新入社員の初任給も引き上げた。これらの人事施策は、従業員のモチベーションと会社への忠誠心を高めることを目的としている。

さらに、同社は2024年5月13日に開催された臨時取締役会で、株式分割を実施することを決議した。この株式分割は、投資単位当たりの金額を引き下げることにより、より多くの投資家にとって手が届きやすい価格を実現することを目的としている。これにより、同社株式の流動性を高め、取引量を増加させ、さらには投資家層を広げることを期待している。株式分割の具体的な内容としては、2024年5月31日を基準日とし、この日に最終的に記録された株主名簿に基づき、保有する普通株式を1株につき2株の割合で分割する予定である。配当に関しては、株式分割を考慮した新たな配当予想として、期末及び年間でそれぞれ9円(株式分割前の金額では18円)と修正した。予想配当性向は、35.1%と計算されている。この一連の措置は、同社の市場での競争力を強化し、株主価値の向上に寄与するものであり、長期的な企業成長に資するものと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)《HN》

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