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魚の鱗が宇宙病を予防か? 金沢大らの研究
宇宙で引き起こされる疾患の例。メラトニンは、A、CおよびDの疾患を予防・治療できる可能性を秘めている。(画像:金沢大学の発表資料より)[写真拡大]
国際宇宙ステーションでの長期宇宙滞在は、既に日常的に行われている。今後は近い将来、月面での基地建設や長期滞在、あるいは重力の小さな月面から他の惑星への探査ロケットを飛ばし、宇宙での長旅を人類は経験していくことになるだろう。
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宇宙での長期滞在は、地球と比べて著しく小さな重力のもとでの生活を強いられ、かつ宇宙放射線被ばくや1日の長さが異なる環境に置かれるなど、地上とは様々な違いがある。これらの影響で心血管系障害、腎障害、筋萎縮、骨量減少、睡眠障害などの宇宙病が懸念される。
金沢大学は14日、人工衛星で魚の鱗を使い、2027年から宇宙病予防薬開発に取り組むと発表した。
既に2010年の宇宙実験により、骨と同様の機能を有する魚の鱗を用いて、宇宙における微小重力や宇宙放射線の人体に及ぼす影響の評価を実施済みという。これらの影響により、人体におけるメラトニン生産量が低下することが突き止められている。つまりメラトニンが宇宙病予防のカギを握るのだ。
またメラトニンは、体内時計のリズムを調節するホルモンでもあり、宇宙での体内時計の乱れを防ぐ効果も期待できる。これらのことから、2027年よりゼブラフィッシュの鱗を用いて、IDDKの人工衛星で宇宙病予防薬の開発に取り組むことになった。
今回の研究は、JAXAの宇宙環境利用専門委員会の公募事業に採択されており、金沢大学、文教大学、立教大学の科学者と、IDDKが共同で取り組む。人間の骨を模した、骨と同様の機能を発揮する魚の鱗を用いる点が画期的で、これにより人工衛星の打ち上げ重量を軽減でき、コストダウンにつなげることも可能だ。
既に2010年の宇宙実験で、金魚の鱗によりメラトニンが作り出されることが確認されており、これを応用した宇宙病予防薬の開発につなげたい考えだ。
余談ながら、人は老化するにつれてメラトニンの分泌量が減少し、睡眠障害を起こしやすくなる。宇宙に長期滞在する予定のある人はごく稀だが、我々自身も睡眠障害防止のため日常生活の中でメラトニンを補なう食生活を心掛けたいものだ。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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