2月のバイト時給は上昇続く、正社員の賃金アップが影響

2024年3月15日 17:00

　求人サイトを運営する各社が、2月度のパート・アルバイト時給動向を発表。正社員の賃金アップがパートタイマーやアルバイトの時給アップにつながるなど、時給が上昇する傾向が続いていることが分かった。

■アイデムは東西日本とも前年下回る

　7日、アイデムが2月の「パート･アルバイトの募集時平均時給」を発表した。東日本エリアの平均時給は前年同月比変わらずの1,178円、関東4都県（東京、神奈川、埼玉、千葉）は同9円減の1,197円となり、ともに前年同月比プラスが5カ月連続で途切れた。

　職種別では専門・技術職が同143円減の1,328円と前年同月を下回った。前年を上回った職種の中では、飲食サービス職が1,127円（前年同月比:61円増、以下同じ）、製造関連・ドライバー職が1,197円（84円増）、清掃・メンテナンス職が1,185円（47円増）で時給の上げ幅が大きめだった。

　西日本エリアは同21円減の1,125円、関西3府県（大阪、兵庫、京都）は同1円増の1,143円だった。職種別では専門・技術職が同103円減の1,302円、その他が同5円減の1,074円と、2職種で前年同月を下回った。前年を上回った職種の中では、事務職が1,114円（50円増）、製造関連・ドライバー職が1,126円（56円増）で時給の上げ幅が大きめだった。

■マイナビは17カ月連続で前年上回る

　13日、マイナビが2月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。全国平均時給は前年同月比56円増の1,233円となり、17カ月連続で前年同月を上回った。ただし1月まで5カ月連続だった最高時給の更新は途切れている。

　業種別で時給が上がったのは、販売・接客・サービスのコンビニ・スーパーが1,062円（前年同月比:55円増、以下同じ）、その他販売・接客・サービスが1,124円（72円増）、ドラッグストア・量販店が1,090円（65円増）、パン・スイーツ・食品販売が1,119円（65円増）、ホテル・ブライダル・トラベルが1,223（101円増）、書店・CD・DVD・レンタル店が1,044円（70円増）。

　教育の家庭教師が1,786円（125円増）。営業の営業が1,284円（80円増）。アパレル・ファッション関連のその他アパレル・ファッションが1,232円（101円増）、雑貨・コスメ販売が1,060円（52円増）。

　エンジニア・サポート・保守のSE・プログラマが1,417円（85円増）。クリエイティブ・編集のDTP・CADオペレーターが1,308円（84円増）、Web/グラフィックデザイン・POP制作が1,385円（76円増）、映像/音楽制作・フォトグラファーが1,044円（78円増）。

　イベント・キャンペーンのその他イベント・キャンペーンが1,296円（70円増）。医療・介護・保育職種のその他医療・介護・保育が1,215円（111円増）、医療専門職が1,379円（74円増）、看護師・准看護師が2,070円（424円増）、薬剤師・登録販売者が1,666円（92円増）。

　飲食・フードのカフェが1,143円（75円増）、その他飲食フードが1,085円（71円増）、ファミリーレストランが1,060円（56円増）、居酒屋・バーが1,173円（60円増）。レジャー・アミューズメントのカラオケ・ネットカフェ・マンガ喫茶が1,103円（54円増）、スポーツジム・スパ・レジャー施設が1,199円（164円増）、映画館・遊園地・テーマパークが1,092円（57円増）。

　エステ・理美容のボディセラピスト・エステティシャンが1,160円（188円増）。オフィスワークのその他オフィスワークが1,306円（196増）、テレホンアポインター・テレマが1,563円（156円増）、事務・データ入力・受付が1,191円（50円増）。

　軽作業のその他軽作業が1,215円（79円増）。工場・倉庫・建築・土木の建築・土木・設備作業が2,087円（794円増）など。

　反対に時給が下がったのは、教育のその他教育が1,217円（57円減）。営業の営業アシスタントが1,066円（118円減）。クリエイティブ・編集の編集・制作・校正が1,170円（66円減）。イベント・キャンペーンのサンプリング・PRが1,416円（109円減）。

　レジャー・アミューズメントのその他レジャー・アミューズメントが1,108円（75円減）。軽作業の搬入・搬出・会場設営が1,788円（167円減）。工場・倉庫・建築・土木のその他工場・倉庫・建築・土木が1,120円（343円減）、構内作業・フォークリフト・溶接が1,313円（63円減）など。

　地域別では北海道・東北が前年同月比29円増の1,074円、関東が同74円増の1,323円、甲信越・北陸が同変わらずの1,105円、東海が同30円増の1,154円、甲信越・北陸が同4円減の1,122円、関西が同39円増の1,225円、中国・四国が同14円増の1,063円、九州・沖縄が同41円増の1,098円だった。

■リクルートは再び過去最高時給を更新

　14日、リクルートのジョブズリサーチセンターが2月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏（首都圏、東海、関西）の平均時給は前年同月比50円増の1,192円となり、34カ月連続で前年同月を上回った。また2023年12月の平均時給1,185円を超えて過去最高時給を更新している。

　学生アルバイトの入れ替え時期や春闘と合わせて時給アップを実施する企業があり、時給の上昇傾向が続いているという。

　職種別で時給が上がったのは、販売・サービス系のレジが1,123円（前年同月比:58円増、以下同じ）、販売が1,149円（51円増）、アパレル販売が1,131円（55円増）、化粧品販売が1,106円（58円増）、ホテルスタッフが1,221円（60円増）、チラシ配布・キャンペーンスタッフが1,299円（78円増）、その他（販売）が1,221円（136円増）。

　フード系のファストフードが1,168円（63円増）。製造・物流・清掃系の組立・生産（重工業除く）が1,244円（69円増）、警備員・監視員・パーキングスタッフが1,209円（74円増）、ビルメンテナンス・施設管理が1,217円（67円増）、その他が1,341円（159円増）。

　事務系の受付が1,200円（53円増）、その他が1,295円（123円増）。専門職系の介護スタッフが1,266円（74円増）、訪問介護員（ホームヘルパー）が1,329円（51円増）、サービス管理責任者・サービス提供責任者（介護・福祉系）が1,264円（70円増）、幼稚園教諭が1,230円（54円増）、プログラマ・エンジニアが1,383円（200円増）、その他が1,379円（141円増）など。

　反対に時給が下がったのは、販売・サービス系のホールスタッフ（パチンコ・遊技場）が1,277円（9円減）、家事支援が1,158円（14円減）。製造・物流・清掃系の管理人が1,150円（19円減）。営業系のその他が1,148円（25円減）。専門職系の介護福祉士が1,300円（38円減）、スポーツインストラクターが1,181円（7円減）、塾講師が1,482円（24円減）と、7職種のみだった。

　地域別では、首都圏が同49円増の1,229円、東海が同62円増の1,124円、関西が同45円増の1,161円となり、3地域とも前年同月比プラスが続いている。

■ディップは38カ月連続で前年同月上回る

　同日、ディップが2月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国の平均時給は前年同月比145円増の1,375円となり、38カ月連続で前年同月を上回った。またアルバイト・パートの求人件数は同15.3％増の約33万件だった。

　職種別で時給が上がったのは、事務的職業の営業その他が1,397円（前年同月比:96円増、以下同じ）、営業・企画営業が1,529円（128円増）、専門事務が1,244円（65円増）。専門的職業のWebデザイン・CAD・DTPが1,704円（510円増）、看護・介護が1,886円（603円増）、医療・介護・福祉その他が1,281円（126円増）、薬剤師・登録販売者・薬局が1,275円（75円増）。

　販売の職業の携帯・家電販売が1,809円（327円増）、専門ショップが1,102円（77円増）。飲食の職業のホール・キッチンスタッフが1,137円（61円増）、カフェ・レストラン・ファストフードが1,168円（92円増）、フード・飲食その他が1,123円（55円増）。

　サービスの職業のイベントその他が1,569円（311円増）、イベント関連が1,511円（114円増）、レジャー・娯楽施設が1,180円（73円増）、清掃が1,157円（86円増）、美容・理容・メイクが1,099円（79円増）、エステ・リラクゼーションが1,226円（105円増）、美容・理容・サロンその他が1,143円（111円増）。

　運搬・清掃・包装等の職業の仕分け・検品・梱包が1,335円（97円増）、軽作業・物流その他が1,340円（158円増）、警備・車両誘導が1,357円（226円増）。建設の職業の建設系が1,493円（150円増）、建築・土木その他が1,364円（168円増）。

　製造・技能の職業の工場・製造その他が1,372円（125円増）。教育の職業の塾講師・家庭教師が2,192円（447円増）、教育・保育が1,312円（63円増）、教師・講師・インストラクターが2,232円（546円増）など。

　反対に時給が下がったのは、事務的職業のテレアポ・テレオペが1,355円（52円減）、事務・データ入力が1,287円（77円減）。専門的職業のSE・PG・エンジニア・運用が1,278円（184円減）、調査業務が1,233円（207円減）。サービスの職業のパチスロが1,285円（107円減）、旅行が1,212円（108円減）。製造・技能の職業の技能系が1,407円（56円減）。教育の職業の教育その他が1,586円（71円減）など。

　地域別では関東が前年同月比141円増の1,417円、東海が同111円増の1,316円、関西が同112円増の1,338円、九州が同281円増の1,412円と、全地域で前年同月比プラスが続いている。

■エン・ジャパンは16カ月連続で前年同月上回る

　同日、エン・ジャパンが2月度の「全国アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。全国平均アルバイト・パート時給は前年同月比62円増の1,186円となり、16カ月連続で前年同月を上回った。

　社員のベースアップをする企業がアルバイトやパートタイマーの募集時給を引き上げたことで、時給アップの傾向が続いているという。

　職種別では10職種中8職種で前年同月を上回った。時給がアップした職種の中では、販売・サービス系（平均時給:1,276円、前年同月比:105円増、以下同じ）、企画・事務・管理系（1,318円、78円増）、営業系（1,443円、78円増）、クリエイティブ系（1,287円、105円増）で伸び幅が大きめ。

　反対に医療・福祉（1,298円、13円減）、教育・その他（1,364円、25円減）の2職種で前年割れとなっている。

　エリア別では関東が前年同月比46円増の1,304円、東海が同5円増の1,189円、関西が同84円増の1,288円だった。（記事：県田勢・記事一覧を見る）

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