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米国株式市場見通し:CPIや小売売上高に注目
*14:32JST 米国株式市場見通し:CPIや小売売上高に注目
来週は2月消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)、小売売上高に注目だ。また、主要小売企業決算で消費動向を判断したい。特にCPIでは、1月の結果が一時的であることが証明されるかどうかに焦点を当てたい。データでインフレの鈍化基調が再確認されれば、年内の利下げ期待が強まり、相場上昇要因になるだろう。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は今週の議会証言において、インフレ鈍化を確信しているものの、さらなるインフレ改善のデータが必要と利下げに慎重な姿勢を再表明した。同時に、利下げ開始する時期を過剰に遅らせることのリスクを認識しているとし、もし、経済が想定通りに展開した場合、年内に利下げを開始することが可能になると言及。利下げを開始するのは「そう遠くはない」と年内の利下げの可能性にもさらに明確に言及し、今までで一番ハト派色を強めた。利下げの可能性をさらに確かにするため、1月のインフレ改善が停滞した基調の大幅転換に期待が集まっている。もし、CPIやPPIの結果で、インフレ鈍化の基調がさらに確認できれば、相場の上昇を後押しするだろう。
FRBがインフレ指標として注目している食品やエネルギーを除いたCPIのコア指数は前年比で1月の+3.9%から+3.7%と、21年5月来の低い伸びに鈍化しインフレ鈍化基調の継続を証明する見込み。1月分は予想程伸びが鈍化せず、市場での早期利下げ観測が後退し、相場の重しとなった。PPIはすでに2%を割り込んでいる。2月小売売上高は1月のマイナスからプラスに改善が予想されている。今年に入り、ホリデーシーズンも終わり、さらに、悪天候に加え労働市場への懸念も浮上し消費に鈍化傾向も見られる。消費の過熱感が緩和すれば、FRBが特に注目しているサービスインフレ鈍化にもつながり、利下げの可能性もさらに強まるだろう。
経済指標では、2月消費者物価指数(CPI)(12日)、2月小売売上高、2月生産者物価指数(PPI)、週次新規失業保険申請件数、1月企業在庫(14日)、2月輸入・輸出物価指数、2月鉱工業生産、2月設備稼働率、3月ミシガン大消費者信頼感指数速報値(15日)、などが予定されている。
主要企業決算では、小売では百貨店のコールズ(12日)、住宅建設会社のレナー、ディスカウント小売のダラー・ツリー、家具販売のウィリアムズ・ソノマ(13日)、ディスカウント小売のダラー・ゼネラル、化粧品小売のアルタ・ビューティ、スポーツ用品小売会社のディックス・スポーティング・グッズ(14日)、そのほか、ソフトウエア・メーカーのオラクル(11日)、アドビ(14日)、などが予定されている。特にレナーの決算では、住宅ローン金利の低下が支援し、需要回復や様々なプロモーションなどが奏功した強い結果に期待したい。
(Horiko Capital Management LLC)《FA》
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