【QAあり】NISSOHD、連結営業利益は前期比+46.5% 在籍人数の増加・受注単価の上昇等により売上高・利益ともに伸長

2024年2月20日 09:18

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記事提供元:ログミーファイナンス

【QAあり】NISSOHD、連結営業利益は前期比+46.5% 在籍人数の増加・受注単価の上昇等により売上高・利益ともに伸長

【QAあり】NISSOHD、連結営業利益は前期比+46.5% 在籍人数の増加・受注単価の上昇等により売上高・利益ともに伸長[写真拡大]

はじめに

清水竜一氏(以下、清水):本日は当社第3四半期の決算説明会をご視聴いただき、誠にありがとうございます。代表取締役社長執行役員兼CEOの清水竜一です。

本年1月1日に能登半島を中心に非常に大きな地震が襲いました。犠牲になられた方々に謹んでお悔やみを申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。また、被災地において救済や復旧・復興にご支援、ご尽力されている方々に心から深く敬意を表します。

当社グループの従業員のうち10数名が、石川県の穴水エリアで働いています。ご自宅から通われている方は地元を離れがたいということで、まだ10数名の方が避難所にいると聞いています。一日も早く仮設住宅などに引っ越すことができることを願っています。

目次

本日は、目次に沿って進めていきます。

サマリー

サマリーはスライドに記載のとおりです。

2024年3月期 第3四半期 連結業績ハイライト

連結業績ハイライトです。前年同期比で営業利益は46.5パーセント、売上高は7.9パーセントとそれぞれ増加しました。

コロナ禍の影響はだいぶ弱まりました。現在、セミコンダクターインダストリー(半導体・半導体製造装置関連)の領域については、メモリの在庫調整や、前工程である半導体製造装置の減産がエンジニアの在籍減少につながり、稼働状況があまり芳しくありません。

その影響を受けて、エレクトロニクスインダストリー(通信機器・電子部品)の分野においても、生産の正常化に至っていません。

我々はこのような環境の中で、特にオートモーティブインダストリー(自動車・EV関連)の分野に積極的に対応することで、遅れを取り戻していく戦略を進めていきました。

しかしながら、今年度はさまざまな理由によって稼働停止が頻発した結果、一人当たりの月間稼働時間はほぼ昨年並みの状態となっています。

そのような中でも売上や利益が伸びた要因として、1つ目は、在籍人数、つまり働いている方々の数が増えたことが挙げられます。2つ目は、お客さまとの交渉により、受注単価が昨年に比べて3パーセント程度上がったことです。さらに販管費率が0.3パーセント減少していることも含めて、これらの結果が数字に表れたものと考えています。

2024年3月期 四半期単位の連結業績

四半期単位の売上高と営業利益の推移です。前年と比べて各四半期で利益が増えていることと、当初の想定どおり後半に利益が偏重していくことに変わりはありません。

日総グループの事業の内容

当社は、昨年10月から持株会社化に移行しました。スライドには、ホールディングスの傘下にある各事業会社の編成を表しています。

NISSOホールディングスの傘下に、総合人材サービスの日総工産、介護・福祉サービスの日総ニフティがあります。

総合人材サービスの日総工産とベクトル伸和は、製造生産系人材サービスならびにエンジニア系人材サービスを展開しています。

日総ブレインは事務系人材サービス、ニコン日総プライムと日総ぴゅあはその他の人材サービスを手掛けています。各人材サービスの詳細については、スライドをご覧いただければと思います。

サービス別売上高

サービス別の売上高です。スライド左側の円グラフは、サービスの構成比率を示しています。スライド右側の図は、第3四半期までのサービス別の売上高を表しています。

今後、我々はエンジニア系人材サービスの領域を特に強化することで、企業の成長にドライブをかけていきたいと考えています。

製造生産系人材サービスについて

製造生産系人材サービスについてご説明します。先ほど少し触れたとおり、オートモーティブインダストリーは当初の想定どおり回復軌道にあるものの、一部メーカーではさまざまな事情により、生産停止が発生しています。

セミコンダクターインダストリーについては、先ほどお伝えしたとおりの状況です。エレクトロニクスインダストリーはそれらの影響を受け、まだ正常化に至っていない状態です。

最初にお伝えしたオートモーティブインダストリーとセミコンダクターインダストリー、あるいはエレクトロニクスインダストリーの推移の状況は、概ね昨年と同じ一人当たりの稼働時間になっています。

在籍人数は前年同期に比べて286名増加し、第3四半期になりようやく増え始めています。在籍人数が1.9パーセントの増加に対し、売上高が5パーセント伸びているのは、先ほども触れたとおり受注単価が3パーセント上がったことが寄与しているとご理解ください。

製造生産系人材サービスについて

一人当たりの月平均売上高です。自動車全体では回復基調になっているものの、いわゆる稼働停止も含めた平均で表すと、スライドのグラフに示したような状況になります。しかしながら、このような状況においても離職率が4パーセント未満を保持できているのは、ピープルマネジメントが機能しているからではないかと考えています。

エンジニア系人材サービスについて

エンジニア系人材サービスについてです。第3四半期は、売上高が前年同期比で1.0パーセント減少しているものの、第2四半期における前年同期比での減少幅と比較すると、回復の兆しが見えてきていると認識しています。

この理由として、第3四半期から、メモリを中心とした半導体工場において残業規制が解除されたことが大きくプラスに作用したものと考えています。今年度は第1四半期で比較的堅調に推移したということで、第3四半期までの累計で、売上高は前年同期比で4.8パーセント増加しました。

在籍人数については昨年末から減少傾向にありましたが、ようやく反転して増え始めた状態になっています。前年同期比で37名減少してはいるものの、第2四半期より改善し始めていることと、特に熊本エリアの新たな半導体のクライアントに人材の投入が始まったことが、この第3四半期の数字を押し上げた要因になっていると考えています。

エンジニア系人材サービスについて

エンジニア系人材サービスの一人当たりの月平均売上高と離職率です。先ほどお伝えしたとおり、第3四半期で一人当たりの売上が少し伸びているのは、残業規制が解除されたことが影響していると見ています。

エンジニア系人材サービスの離職率は、前年と同様に低水準を維持しています。半導体メーカーあるいは半導体の前工程を中心とした装置メーカーには多くのエンジニアがおり、大変厳しい状況の中でも離職率が前年並みに抑えられていることは、うまくマネジメントができているものと考えています。

事務系・その他の人材サービスについて

事務系・その他の人材サービスです。当社における事務系人材サービスは一般事務が多く、昨今の新しい技術、例えばAIに置き換えられることにより減少傾向にあります。しかしながら、全体としての影響はそれほど大きくないと考えています。

その他の人材サービスについて、ニコン日総プライムは、当社で「プライム社員」と呼ばれる高年齢の方々の活躍の機会を作っています。つまり、ダイバーシティのような考え方を持っています。また、日総ぴゅあは、さまざまな障害をお持ちの方々がスキルを磨きながら活躍できる機会を作っています。こちらも適正に推移していると認識しています。

介護・福祉サービスについて

日総工産と並列にある、介護・福祉サービスを展開する日総ニフティについて丁寧にご説明します。

施設介護では、スライド右側にある6つの施設を展開しています。我々は人材サービス会社のグループのため、介護サービスを行う方々の能力開発、あるいはスキルアップのための育成を行いながら、質の高いサービスを提供することをモットーに事業展開しています。そのため、高い施設入居率を維持しています。

在宅介護については、介護ステーションを神奈川県横浜市に1ヶ所、福島県いわき市に2ヶ所、通所介護施設を福島県いわき市に2ヶ所展開しています。後ほど少し触れますが、人材育成にも大変力を入れています。

また我々にとって励みになる話として、すいとぴー金沢八景の社員が、介護技術コンテストである「第13回オールジャパンケアコンテスト」の入浴部門で優秀賞を受賞したという、うれしいニュースがありました。

介護・福祉サービスについて

介護・福祉サービスの売上高と売上総利益です。規模はそれほど大きくありませんが、増収増益となりました。スライド下段のグラフにあるとおり、94パーセント程度の入居率を維持していることは、大変評価を受けている証だと考えています。

昨年12月には、神奈川県と未病改善に係る事業の基本合意書を締結しました。介護状態にならないようにするためのさまざまな機能回復訓練などを、神奈川県とともに着実に取り組んでいくため、モデル施設を展開しています。

日総グループ成長サイクルの実現に向けて

スライドの図は、日総グループの成長サイクルの実現に向けたイメージを表しています。我々は人材サービスを展開しているグループであり、ES(従業員)、CS(顧客)、SS(株主他)それぞれの満足度を得るために、さまざまな打ち手を講じています。

スライドに「機動的なM&A」、「採用の仕組みを強化」などといった8つのキーワードを記載しています。それぞれにおいて具体的に、成長あるいはお客さまの信頼を得るために必要な取り組みを行っています。こちらの詳細は後ほどご説明したいと思います。

総合人材サービスの拡大に向けて

総合人材サービスの拡大に向けた戦略についてご説明します。我々は全体の売上の65パーセントを、オートモーティブインダストリー、セミコンダクターインダストリー、エレクトロニクスインダストリーの3分野で占めています。

当社では昨年度までアカウント戦略をとっていましたが、今年度からはインダストリー戦略に切り替えています。

今後、カバーしなければいけないお客さまの数が急激に増えていきます。営業戦略あるいは顧客管理を行う上で大変にはなるものの、これから安定的に成長するためにも、今年度からこちらの戦略に切り替えています。

それぞれのインダストリーの中で、これから数年先に大きな成長が見込まれるお客さまのニーズを深掘りしていくアクションを行います。そしてお客さまのニーズを深掘りしつつ、すぐには配属できないような高付加価値な人材、高スキルな人材をお客さまに計画的に配属することをとコミットしながら、人材確保に向けた質と量を十分に担保し、お客さまを広げていくという戦略です。

業界動向

業界動向についてです。先ほどお話ししたとおり、オートモーティブインダストリーは、サプライチェーンやパワー半導体を含めた半導体不足の問題も解消し、堅調に推移しています。

しかしながら第3四半期の途中から、度重なる稼働停止の影響を受けています。

セミコンダクターインダストリーについては、期初に想定していたより回復が1四半期程度後ろにずれ込んでいるものの、第4四半期になって堅調に推移し始める半導体メーカーが出てきています。

エレクトロニクスインダストリーについては、例えば自動車や通信機器その他に実装されていく半導体と連動しているため、こちらの影響を色濃く受けることになります。

スマートフォンを含めた通信機器は停滞気味ではあるものの、最近の自動車は従来のエンジンからハイブリッドエンジンやEV化がかなり進んできています。そのため、自動車向けのエレクトロニクスインダストリーの工場については徐々に増え始めており、これから活況を呈していくのではないかと考えています。

2024年3月期 第3四半期 インダストリー別売上高

スライドは、インダストリー別の売上高構成比です。我々は2026年から2027年にかけて、国内で大規模な工場が立ち上がるという情報をかねてからキャッチしており、これに伴う人材ニーズを確実に受注していくための戦略を、1年近く前から打ち始めています。

その中でも特に半導体の分野においては、熊本からスタートした新工場の動きが各地に飛び火しながら、2024年の熊本第2工場着工、北海道千歳市の新しい半導体メーカーの量産化に向けた動きなどもあり、このような動きに対応するためのアクション、準備を進めてきました。

もう1つはバッテリーです。こちらも日本の国策的な製造品目です。昨今では経済産業省も大きな予算をつけており、2026年後半から大型のバッテリー工場が日本各地に展開されるという情報も得ています。また自然エネルギー対策やゼロカーボンなどが進む中で、定置型のバッテリーもかなり活況を呈してくるだろうといわれています。

これらに向け、人材育成のための対策、あるいは営業の対応などを進めていきたいと考えています。

採用の強化に向けて

スライドは、2026年、2027年のビッグプロジェクトを確注するための、人材獲得に向けた1つの考え方を示したものです。

当社は自社サイトを積極的に活用することにより、他社と比べて大きく採用コストを抑えることができています。毎月採用している800名以上の方々の半分は自社サイトを経由しており、人を採るという面でも大きな武器になっています。この自社サイトを、今後さらに拡充していこうと考えています。

そして、約2年前から行っている新しい試みである「人材会社を中心にした、うまくマッチングできない方々をお互いに融通し合う採用コンソーシアム」ですが、さらに我々と親和性の高い他業種も含めて拡大していくことと、それを効率的に行うためのプラットフォーム作りに着手し始めています。

また、よりマッチングの精度を上げていくため、AIの技術を積極的に活用していく考えです。

人的資本経営の実践に向けて

人材の質向上のための戦略です。スライドに記載のとおり、現場で働く方々のキャリアアップ制度の充実や、昨今ではキャリアパスアシスタント、いわゆるキャリアカウンセリングにより「どのような方向で自分のスキルを上げていきたいのか?」について、働く方々を手厚くサポートしていく仕組みです。

また、製造現場で働く方がエンジニアにキャリアチェンジすることを促進する仕組みや、研修施設の充実も行っています。後ほど詳しくお話ししますが、従来の半導体の装置エンジニアに加えて、これから拡大してくる蓄電池向けの装置エンジニアの育成施設も拡充していきます。

研修の仕組みについては、VR/ARやe-ラーニングのような新しい教育の方法も開発しています。

人的資本経営の実践に向けて

研修施設についてご説明します。これまで九州地方や中国地方、東北地方、北海道などで、半導体を中心にした産官学のコンソーシアムに参画してきました。その中での我々の役割としては、「量産技術を確立するために必要な人材をどのように育成してお客さまに配属するか」という立ち位置でした。

昨年11月に、新しく「関西蓄電池人材育成等コンソーシアム」に参画しました。そして来月には、滋賀県に新しく蓄電池向けの「日総EVテクニカルセンター関西」を開設する予定で準備しています。

半導体については、例えば北海道エリアの工場の状況が見えてきた段階で、北海道にもう一段、半導体の人材育成のためのセンターが必要になってきます。また蓄電池においては、おそらくその特性上、自動車のボデーメーカーがあるところからあまり遠くないところに工場を誘致することになると考えています。例えば愛知県や九州などのエリアに、蓄電池向けのテクニカルセンターの開設が必要になるだろうと思っています。

日総グループ教育実績について

日総グループの教育実績についてです。今期は、我々がエンジニアを数多く輩出しているセミコンダクターインダストリーが振るわず、プロジェクトが後ろにずれ込んだという状況等がありました。そのため、昨年と比べると対象人員が若干減っているという状態です。しかし、ここから再び動き始めたため、またドライブをかけていこうと考えています。

介護・福祉サービスについては、人の命を預かる大変重要な仕事です。そのため人材会社として、OJTだけではなく導入前訓練、Off-JTで確実に基礎を身につけ、OJTに臨んでいくことをさらに強化していきたいと思います。

外部社員研修(受託)については、すでに我々のセミコンダクターインダストリーの複数のお客さまから教育訓練の委託を受けています。これは我々の教育レベルが、お客さまの社員の方々にも十分対応できるレベルに達しているという、1つの評価の証でもあると考えています。

トピックス 2024年3月期

スライドに、今年度のトピックスを記載しています。2023年10月のホールディングス設立から、成長に向けたいろいろな取り組みを矢継ぎ早に行っていることがおわかりいただけると思います。

今後も、成長に向けた買収や資本業務提携、資本参加等の積極的な推進を考えています。

トピックス

トピックスを4つご紹介します。1つ目に、株式会社アイズを子会社化しました。我々の弱点だったIT領域の事業を展開している会社であり、仲間になっていただくことでIT領域の強化を目指します。

また、我々が今後力を入れていきたいと考えている生産設備の中の工作機械メーカーの製造請負や派遣を手がけていることもあり、当社グループとのシナジーを生みながら、お客さまの満足度をさらに上げていきたい考えです。また、さまざまな領域でキャリアを積み上げる、あるいはキャリアをチェンジして新しいことに挑戦できる環境を整備するための施策でもあります。

2つ目は、APB株式会社への出資決定です。こちらは大変ユニークで新しい技術である、全樹脂電池を開発・製造している会社です。蓄電池の領域への展開に向けた1つの取り組みとしてご覧いただければと思います。

トピックス

3つ目は、「日総EVテクニカルセンター関西」の開設です。3月中旬に新たなEVテクニカルセンターとして滋賀県に開設予定です。

4つ目として、「日総テクニカルセンター熊本」の増設を発表しました。これまで、熊本のセンターから輩出できるエンジニアは年間100名程度でしたが、5月に当センターの増設が完成することで育成能力が3倍に上がり、年間300名の装置エンジニアを輩出可能となる想定です。

2024年3月期 通期連結業績予想の修正

下方修正についてご説明します。下方修正の大きな原因として、先ほどからお伝えしているオートモーティブ領域で、頻発する稼働停止問題があります。

今の段階では、第4四半期の動向は我々も確実な情報を得られていません。今立ち入り検査をしている国土交通省の判断によっては、かなり大きな影響が出るのではないかと考えています。そのため当初より営業利益ベースで8億円程度の下方修正をしている状況です。

株主還元方針

株主還元方針です。20円50銭の配当予想額は、据え置きとしています。結果として、当初計画より収益が8億円下振れしたため、配当性向は38.6パーセントとなります。

連結貸借対照表

貸借対照表です。スライド右側に、貸借対照に影響を及ぼした事柄を記載しています。

用語集

用語集です。あまり一般的ではない用語について解説しています。資料を見ていく中で疑問に感じるところがありましたらご覧ください。

以上で、決算説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:自動車稼働停止による来期の影響について

司会者:「自動車の稼働停止による来期の影響はどのように考えていますか?」というご質問です。

清水:こちらは大変難しい質問であると思います。今回の検査不正で発生した事象により考え方が違うと思いますが、来期にずれ込むものも若干あるのではないかと考えています。

しかしながら、各ボデーメーカーあるいは部品メーカーの方と情報交換をする中で、比較的速やかに、年度内には回復できる工程もありそうだという話も出てきています。ものによっては来月ぐらいから徐々に回復するのではないかと考えています。

質疑応答:セミコンダクター・エレクトロニクスの来期の見通しについて

司会者:「セミコンダクターやエレクトロニクスの来期の見通しはどうですか?」というご質問です。

清水:在庫調整に手間取ったメモリについては、来期に向けて新しいプロジェクトが始動し正常化に向かっていくこともあり、すでにこの今年度末から増員を頂戴している状態です。

また、熊本エリアにおいても今年末に向けて出荷がスタートするため、堅調に推移するのではないかと思います。

エレクトロニクスメーカーでも、時間外勤務がすでに正常化しつつある工場も増えてきたため、来年度は今年度よりも状況的には明るいのではないかと見立てています。

質疑応答:人材育成について

司会者:「人材育成は先行投資になると思うが、来期は成長へ向けた投資フェーズとの認識でよいのか教えてください」というご質問です。

清水:今年、お客さまのいろいろな事情により育成できなかったエンジニア、あるいは高技能者を来期に向けて育成しておかないと、2026年、2027年の大型受注になかなか結びつかないと考えています。今年少し停滞した分、来期は当初計画より強めに育成の投資をしていこうと考えています。

今のところ、まだ概算ですが、1,800名程度のエンジニア輩出を準備しています。

質疑応答:蓄電池関連の今後の展望について

司会者:「『日総EVテクニカルセンター関西(EVTC関西)』の開設など、蓄電池関連にこれから注力していくという話ですが、そこに向けた今後の展望やコンソーシアム参画の狙いを教えてください」というご質問です。

清水:こちらにはいくつかの狙いがあります。まずコンソーシアム参画の狙いは、大型バッテリー工場の稼働が2026年後半から2027年に予定されているため、そのエリアで育成するための仕組みがどの程度必要であるかを確実にキャッチすることです。そして蓄電池メーカーが、自社で準備する人材と外部に委託する人材を切り分けるといったことが判明しました。これによりある程度の目算がついたため、今回、滋賀県にEVテクニカルセンターを開設することを決定しました。

ここからは、お客さまとカリキュラムについても十分に打ち合わせをし、実際に製造装置を入れながら、計画的に育成していくフェーズとなっています。

質疑応答:人件費上昇の影響について

司会者:「日本全体で賃上げの必要性が叫ばれていますが、派遣先で人件費が上昇した場合に、御社にはどのような影響が見込まれますか?」というご質問です。

清水:政府、経済界そして労働組合も一致した意見として、ここからの景気回復の大きなポイントが賃上げだという話があります。

今、まさに春闘の真っ只中だと思いますが、我々は一貫して、働いている方々の賃上げをしていくスタンスをとっています。このことは受注の単価アップにもつながります。いわゆる収益率が粗利となり、大きく改善するというよりも単価を上げていくことによって収益額が増えていきます。本人にも昇給というかたちで還元するとともに、我々にとってもプラスに作用するという見方をしています。

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