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非四肢細胞をリプログラミングして四肢前駆細胞へ 手足の再生医療に貢献 九大ら
今回の研究の概要(九州大学報道発表資料より)[写真拡大]
九州大学などは6日、非四肢細胞を将来手足となる四肢前駆細胞にリプログラミングする技術の開発に成功したと発表した。
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研究グループによれば、ヒトにおける四肢の再生治療技術開発に貢献する可能性が高いという。
■ダイレクトリプログラミングとは?
私達の普通の体細胞に一定の遺伝子(リプログラミング因子)を組み込むと、さまざまな細胞に分化できる受精卵のような細胞に変化する。これをリプログラミング(初期化)という。iPS細胞はこのようにしてつくられる。
だがもし、一定の遺伝子を組み込むことで、私達の普通の体細胞を直接目当ての細胞に変化させることができれば、どうだろうか?
iPS細胞を経由しなくてもすむぶん、時間もコストもかからず、成熟度も高い細胞が得られるだろう。これをダイレクトリプログラミングという。
今回研究グループは、マウスにおいて、非四肢細胞から将来手足となる四肢前駆細胞に直接リプログラミングすることに成功した。
■線維芽細胞を四肢前駆細胞に直接リプログラミング
まず研究グループは、ニワトリの胚を使って18個のリプログラミング因子候補を特定。続いてマウスの胚を用い、リプログラミング因子候補を3つに絞り込んだ。転写因子Prdm16、転写因子Zbtb16、RNA結合因子Lin28aの3つだ。
さらにLin41を合わせて組み込んだところ、リプログラミングの効率が向上することが確認された。
以上から研究グループは、前記3つのリプログラミング因子にLin41を加えた4つのリプログラミング因子を「PZLLコンビネーション」と名付けた。
研究グループでは今後、ヒトの線維芽細胞からヒトの四肢前駆細胞の作成にも挑戦していきたいとしている。
マウスやカエルを使った研究では、四肢が切断された場合に、四肢前駆細胞の移植により、四肢の再生が促進されることがわかっている。
研究グループでは、大量培養が可能な線維芽細胞から四肢前駆細胞を作製する技術が確立できれば、ヒトの四肢の再生医療技術開発に貢献する公算が大きいとしている。(記事:飯銅重幸・記事一覧を見る)
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