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米地銀に新たな火種、NYCB赤字決算の影響は
●NYCBの赤字決算を受けて地銀株が下落
ロイター通信によると、米ニューヨーク州を地盤とする銀行持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)が、1月31日に予想外の赤字決算と減配を発表し、米国地銀株が軒並み下落することとなった。
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NYCB株は33.7%下落したが、KBW銀行株指数も6%安となり、昨年のシグネチャーバンクの破綻以来最大の下落率となった。
NYCBは地銀危機の勝ち組と見られていたが、今回の決算の悪化は衝撃が大きかった。NYCBは米国の地銀危機の新たな火種となるのだろうか?
●シグネチャー銀行とNYCB
NYCBは9つの州で400近い店舗を持つ。住宅ローンの組成や、貸付倉庫などのサービスを行う。
昨年3月にニューヨークを拠点とする地銀・シグネチャー銀行が破綻。資産約1100億ドルと、米銀の破綻としては3番目の規模だった。
NYCBは、このシグネチャー銀行の一部を取得する部分買収をしており、NYCB傘下のフラッグスターがシグネチャーの全預金と一部の債券、40の支店を引き受けた。40の支店はフラッグスターの支店として営業している。
買収の報道があった時は、NYCB株が30%上昇していた。
●気になる今後の行方とFOMCの利下げ
NYCBの赤字の原因として、シグネチャーバンクの預金を引き受けたことで、追加資本を必要としたことがある。5億ドル以上の貸倒引当金を計上せざるを得なくなったと見られている。
通期の売上で見ると、NYCBの決算は決して悪くないという指摘もある。もちろん破綻や買収という危機でもない。
そもそもFOMCの相次ぐ利上げによる高金利の維持コストが、純金利収入(NII)を圧迫しているという声もあり、地銀にとっては利下げの開始が待たれる。
1月のFOMCの定例会合では金利は据え置かれ、パウエルFRB議長も3月の利下げは「恐らくないだろう」と発言。冷や水を浴びせられた格好だ。
しかし利下げにはオープンな姿勢を見せ、3月は無いとしても利下げはそう遠くはないとみられる。
利下げが始まったとしても、NIIを圧迫することには変わらず、まだまだ地銀には綱渡りの状態が続くのかもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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