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どうなる!? 2024年の米国利下げの行方
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●3月利下げの期待後退か?
米国では、年明けからFRBによる利下げ期待が後退するような指標が目立った。
【こちらも】新NISAで円安・株高、2024年相場の幕開け
12月の米消費者物価指数(CPI)の伸びは予想を上回り、前年同月比+3.4%となり、コアCPIも+3.9%と、下げ止まりの兆候が見られた。
5日に発表された12月の新規失業保険申請件数も予想を下回り、改めて米国労働市場の堅調さも浮き彫りとなった。
市場は3月に8割近くの確率で利下げを予想しており、2024年は6回の利下げを予想する声もあるが、年明け早々から頓挫したのだろうか?
●FRB幹部の牽制発言も
楽観的な市場の予想を戒めるかのような、FRB幹部からの発言も相次いでいる。
クリープランド地区連銀総裁のメスター氏は「3月利下げはおそらく早い。さらなる証拠を見る必要がある」と利下げに慎重な姿勢を示し、シカゴ地区連銀総裁のグールズビー氏も「物価上昇圧力緩和を裏付けるデータを」と発言した。
アトランタ連銀総裁のボスティック氏は、14日に「インフレ率鈍化は今後緩やかになる可能性がある」との認識を示し、「再びインフレ率上昇するのを防ぐために、夏までは政策金利を据え置く必要がある」と踏み込んだ発言をした。
いずれにしても今後のデータを見極めたうえでの判断となりそうで、発言内容もデータ次第で変わりそうだ。
●3月の利下げは見送られるのか?ドル円は150円?
CPIは予想を上回っていたが、PCE価格指数をもとに計算すると、より低い水準になると見られる。
米国2年債利回りも低下したことから、その影響は見逃せない。
ただ、米議会が企業や家計向けの700億ドル(約10兆1500億円)の優遇税制措置の予算を見込んでおり、これが実現されるとインフレ圧力へ向かうことも考えられる。
足元では円安が進み、約1カ月ぶりに1ドル=146円台にまで円安が進んだ。ただこれは、ドル高が影響していると見るよりは新NISAの買いによる円安と見られる。
3月までに雇用統計とCPIが2回ずつあるが、利下げの動向よりも新NISAの買いがどこまで続くかの方が、ドル円を左右することになりそうだ。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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