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9日の中国本土市場概況:上海総合0.2%高で4日ぶり反発、空運株に買い
*18:00JST 9日の中国本土市場概況:上海総合0.2%高で4日ぶり反発、空運株に買い
9日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比5.71ポイント(0.20%)高の2893.25ポイントと4日ぶりに反発した。
金融緩和の期待感が相場を支える流れ。複数メディアが9日までに報じたところによれば、中国人民銀行(中央銀行)貨幣政策司の鄒瀾・司長はこのほど、「公開市場操作や中期貸出制度(MLF)、預金準備率などの金融政策ツールを用いて、与信の合理的な伸びを支援する」と述べ、早期の緩和を示唆した。中国10年債利回りの低下基調が強まっていることも、緩和観測を後押ししている。また、上海総合指数はこのところ急ピッチに下落し、2022年4月以来の安値を付けただけに、値ごろ感も着目された。ただ、上値は重い。影の銀行(シャドーバンキング)の債務問題が依然としてくすぶっているほか、ファンドの解約換金による売り圧力も警戒された。「中国の証券当局は、運用会社の株売り越し規制を解除したもよう」などと報じられる。中国証券監督管理委員会(証監会)は昨年、低迷するA株市場を支えるため、主要な運用会社に対し、1日あたり株式売買の売り越しを禁じていた。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、空運の上げが目立つ。春秋航空(601021/SH)が4.0%高、中国南方航空(600029/SH)が3.8%高、中国国際航空(601111/SH)が2.8%高、中国東方航空(600115/SH)が1.6%高で引けた。旅客増が期待される。中国では今月26日、春節(旧正月)前後の特別輸送態勢「春運」期間がスタートする。中国民用航空局の予測によると、3月5日までの「春運」40日間で、航空旅客数は延べ8000万人に達する見通しだ(1日当たり200万人に拡大し、過去最多を更新する見込み)。また、中国民用航空局の内部会議では、24年に業界全体の黒字化を目指すとの目標を掲げている。
消費関連株もしっかり。免税店の中国旅遊集団中免(601888/SH)が6.4%高、百貨店の王府井集団(600859/SH)が2.5%高、食品の桃李面包(603866/SH)が2.2%高、家電の海爾智家(600690/SH)と自動車の長城汽車(601633/SH)がそろって1.0%高で取引を終えた。中国旅遊集団中免については、業績成長も支援材料。同社が8日引け後に報告した23年通期の業績速報では、純利益が前年比で33.5%増加した。
石炭株も高い。安源煤業集団(600397/SH)が5.9%、エン鉱能源(600188/SH)が3.0%、広匯能源(600256/SH)が2.6%、鄭州煤電(600121/SH)が2.4%ずつ上昇した。不動産株、インフラ関連株、医薬株、素材株、銀行株なども買われている。
半面、証券株は安い。国聯証券(601456/SH)が2.6%、東方証券(600958/SH)が1.7%、太平洋証券(601099/SH)が1.4%、国金証券(600109/SH)が1.0%ずつ下落した。メディア・娯楽株、公益株も売られている。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が6.31ポイント(2.74%)安の224.33ポイント、深センB株指数が3.90ポイント(0.37%)安の1055.15ポイントで終了した。
亜州リサーチ(株)《CS》
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