5日の中国本土市場概況:上海総合0.9%安で続落、ハイテク・医薬に売り

2024年1月5日 16:54

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記事提供元:フィスコ

*16:54JST 5日の中国本土市場概況:上海総合0.9%安で続落、ハイテク・医薬に売り
5日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比25.17ポイント(0.85%)安の2929.18ポイントと続落した。


中国経済の先行き不透明感が重しとなる流れ。インフラ建設などの資金調達を担う中国の地方政府傘下の投資会社、地方融資プラットフォーム(LGFV)に関し、2024年に債務返済圧力が一段と増し、過去最高を更新するなどと報じられている。中国人民銀行(中央銀行)の資金吸収もマイナス。人民銀は今週、公開市場操作(オペ)による市場からの資金吸収を継続し、満期分との差し引きで2兆4230億人民元(約49兆円)を市中から吸収した。香港メディアによれば、週間ベースで過去最大の吸収超という。指数は朝方、中国経済対策の期待感などで上昇する場面がみられたものの、程なくマイナスに転じ、引けにかけて下げ幅を広げた。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、ハイテクの下げが目立つ。液晶パネルメーカーの南京中電熊猫信息産業集団(600775/SH)が8.6%安、LED・電子部品メーカーの聯創光電科技(600363/SH)が7.9%安、スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が4.4%安、携帯端末ODM(開発・製造受託サービス)世界最大手の聞泰科技(600745/SH)が2.5%安、インターネット・セキュリティーの三六零安全科技(601360/SH)が3.2%安で引けた。


医薬株も安い。江蘇恒瑞医薬(600276/SH)が4.2%、人福医薬集団(600079/SH)が3.7%、天士力医薬集団(600535/SH)が3.0%、北京同仁堂(600085/SH)と津薬達仁堂集団(600329/SH)がそろって2.0%ずつ下落した。


軍事関連株もさえない。軍用電子機器の中国海防(600764/SH)が4.6%安、衛星・ロケット用システムの航天時代電子(600879/SH)が3.6%安、航空機開発・製造・販売の中航瀋飛(600760/SH)が3.1%安、衛星開発・運用の中国衛星(600118/CH)が2.0%安、弾薬・ロケットの長城軍工(601606/SH)が1.5%安で取引を終えた。消費関連株、インフラ関連株、素材株、公益株、証券株なども売られている。


半面、銀行株はしっかり。中信銀行(601998/SH)が4.4%、杭州銀行(600926/SH)が3.7%、招商銀行(600036/SH)が1.7%、中国郵政儲蓄銀行(601658/SH)が1.6%ずつ上昇した。


外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.94ポイント(0.40%)安の232.82ポイント、深センB株指数が0.57ポイント(0.05%)安の1066.29ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《CS》

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