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待望の「ライドシェア」が条件付きで、24年4月に解禁!
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政府は20日に開催した3回目となる「デジタル行財政改革会議」で、条件付きで「ライドシェア」を解禁することを決めた。
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コロナ禍の需要減少によりタクシー運転手の離職が続いていたが、新型コロナが5類に変更されて社会生活が正常化するに伴い、都市部や観光地でのタクシー不足を指摘する声が高まっていた。転職した先にやっと馴染んだ元タクシー運転手が、タクシー乗務に戻る流れは出来ていない。タクシー会社の車庫には出番を待つ多くのタクシー専用車が、止められたままという不思議な状態が続いている。
海外の多くの国では、アプリ事業者などが一般のドライバーを管理するライドシェアが普及している。日本でも導入を求める声は大きいが、経営の圧迫を恐れるタクシー業界が、運行の管理や車両の整備に問題があるとして強行に反対してきた。
24年4月からはタクシー会社が運行を管理し、タクシー不足が深刻な地域に絞り、時間帯も考慮して運用する条件付きの「ライドシェア」がスタートする。タクシー配車アプリに対応する車両が7割を超える都市部や観光地が対象になる。今まで蓄積した配車アプリのデータがあれば、タクシーが不足していた地域や時間帯が判明するところにミソがある。
急激な天候の悪化や公共交通機関の不具合、大規模イベントの影響なども織り込み、季節によって大きな波がある観光地の条件も配慮される。
運行を管理するタクシー会社は車両整備の管理やドライバーの教育を行い、事故発生時の責任を負う。道路運送法では第2種の運転免許を持たない人が、料金を取って客を乗せる行為を禁止しているから、条件付きではあっても、日本にとっては画期的な事態だ。
条件付きの解除なので、働きたいドライバーの自由度は少ない。稼働時間をあらかじめ想定することは難しく、対象者が限定的になることは避けられないが、ギガワーカーにとっては選択の幅が広がる可能性はある。
このシステムが円滑に稼働しなければ(タクシー不足が解消しなければ)、運行を管理するタクシー会社への逆風は強まる。その結果、本格的な「ライドシェア」の導入を求める声が強くなる可能性があるから、業界にとっては痛し痒しといったところだろう。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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